つなぎ融資とは
つなぎ融資は、補助金が入金されるまでの立替え期間を埋めるための借入です。
持続化補助金や新事業進出・ものづくり商業サービス補助金などは精算払いで、事業者が経費を全額支払い、実績報告書を出し、確定検査で額が確定してから振り込まれます。発注から入金までの間、事業費の全額を自分で用意しなければなりません。 補助率1/2の制度で3,000万円の設備を入れるなら、一時的に3,000万円を出し、後から1,500万円が戻ってくる形です。
立替え期間は制度と回によって違い、採択から入金まで1年を超えることがあります。たとえば持続化補助金 第20回は、採択発表が2027年3月頃の予定で、補助事業の実施期限が2028年3月31日、実績報告の期限が2028年4月10日です。制度ごとの事業期間・報告期限は精算払いの解説と各制度ページで確認してください。
「採択されたから借りられる」わけではない
いちばん危険な誤解です。
- 補助金の採択・交付決定は、融資を保証するものではありません。 金融機関の審査は財務内容・返済能力・既存借入・担保保証の状況で別途行われます
- 交付決定額は減額されることがあります。 交付申請の精査で対象外と判断された経費が落ちれば、当てにしていた入金額そのものが下がります
- 確定額はさらに下がり得ます。 実績報告後の確定検査で対象外と判断された経費があれば、交付決定額を下回ります
つまり「補助金が入るから返せる」という前提自体に幅があります。返済計画は補助金が予定どおり入らなかった場合でも回るかで見てください。
相談先
公的な相談先としては次があります。どこがいくらの金利で貸すかは、商品・期間・信用力・時期で変わるため、当サイトでは金利や保証料の目安を示しません。 必ず窓口で条件を確認してください。
- 日本政策金融公庫 — 政府系金融機関。各種の融資制度がある
- 取引金融機関(メインバンク) — 事業の経緯や取引状況を踏まえて相談できる
- 信用保証協会の保証付き融資・自治体の制度融資 — 保証料や利用条件は制度ごとに窓口で確認する
- 商工会議所・商工会 — 経営指導を受けている小規模事業者(商工業者)は、商工会議所等の長の推薦を受けて日本政策金融公庫のマル経融資(無担保・無保証人、融資限度額2,000万円)を利用できる。審査の結果、希望に沿えない場合もある
動くタイミング——「採択されてから」では遅い
申請前、遅くとも採択発表の前に金融機関へ相談してください。 理由は3つあります。
- 補助事業の実施期間は制度が区切っており(例: 持続化補助金 第20回は交付決定日から2028年3月31日まで)、その期間内に発注から支払いまで終える必要がある
- 融資には金融機関の審査があり、決算書などの資料も求められる。審査にかかる期間は金融機関と案件によって違う
- 制度側が金融機関の関与を前提にしている場合がある。たとえば新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、金融機関等から資金提供を受けて補助事業を実施する場合、応募申請時に「金融機関による確認書」(事業計画について金融機関等の確認を受けたことを示す書類)の添付が求められます。事業計画を金融機関に見せる工程が、そもそも申請の中に組み込まれているということです
なお同制度では、確認書を発行した金融機関やその関係先への発注・見積もりは認められません。資金の相談先と発注先を兼ねさせない設計になっている点に注意してください。
借りる前に確かめること
- 補助金が予定どおり入らなかった場合でも返済できるか
- 借入にかかる利息・保証料を差し引いても、その設備投資が事業として成立するか(補助金は課税対象である点も含めて)
- 個人保証の有無と、事業がうまくいかなかったときの範囲
補助金は「もらえるお金」ですが、つなぎ融資は返すお金です。両者を合わせて資金繰りが回るかを先に確かめてから、申請するか決めてください。判断に迷うなら申請を見送るのも合理的な選択です。
→ 詳細は 補助金活用時の資金繰り完全ガイド、補助金の立替えキャッシュフローリスク
公式情報
最終確認日: 2026年9月15日