精算払い

セイサンバライ
最終確認 2026/9/15
ひとこと定義

精算払いとは、補助事業者が補助対象経費をいったん全額支払い、事業完了後の実績報告と確定検査で補助金の額が確定してから補助金を受け取る支払い方式であり、入金までの間は事業費の全額を自己資金や借入で立て替える必要がある。

精算払いとは

精算払い(後払い)は、補助事業者が補助対象経費を いったん全額支払い、事業の完了後に実績報告書を出し、確定検査で補助金の額が確定してから補助金を受け取る方式です。国の補助金の手続きは、補助金適正化法で実績報告(14条)、額の確定(15条)の順に定められており、精算払いの制度では額が確定してから支払われます。

入金までの期間は、事業期間の長さで大きく変わります。たとえば小規模事業者持続化補助金(第20回)は、採択発表が2027年3月頃の予定で、補助事業の実施期限が2028年3月31日、実績報告の期限が2028年4月10日です。事業期間をいっぱいに使うと、採択から入金まで1年を超えます。

精算払いの流れ

  1. 採択 → 交付決定
  2. 発注・契約、納品、取引先への支払い(ここで全額を立て替える)
  3. 実績報告書の提出
  4. 確定検査(書類の審査と、必要に応じた現地調査)
  5. 補助金の額の確定・通知
  6. 補助金の請求
  7. 補助金の支払い

立替え額の考え方

補助率 補助対象経費 立て替える額 補助金額
1/2 1,000万円 1,000万円 500万円
2/3 750万円 750万円 500万円

立て替える額は補助対象経費の 全額で、補助率には左右されません。

制度別の事業期間と報告期限(2026年9月時点)

立替えが続くのは、発注・支払から補助金が入金されるまでです。入金の時期は、事業期間、実績報告、確定検査(助成金は支給審査)にかかる期間で決まります。公募要領に「入金まで何か月」と書かれていない制度がほとんどのため、当サイトでは月数の目安を載せていません。公表されている期間・期限は次のとおりです。

制度 公表されている期間・期限
小規模事業者持続化補助金(第20回) 補助事業の実施期限 2028年3月31日、実績報告の期限 2028年4月10日
デジタル化・AI導入補助金(通常枠ほか 5次) 交付決定 2026年11月9日(予定)、事業実施・実績報告の期限 2027年4月30日17時(予定)
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回) 補助事業実施期間 交付決定日から10か月以内・採択発表日から12か月以内(革新的新製品・サービス枠)/交付決定日から14か月以内・採択発表日から16か月以内(新事業進出枠・グローバル枠)
省力化投資補助金(一般型 第8回) 事業実施期間 交付決定日から17か月以内(採択発表日から19か月以内)
業務改善助成金(令和8年度) 事業完了期限 交付決定年度の1月31日(やむを得ない理由がある場合は、あらかじめ理由書とともに申請すれば、交付決定年度の3月31日まで延長される場合がある)
事業承継・M&A補助金(16次) 補助事業期間 2027年1月(下旬予定)から14か月以内を想定
創業助成金(東京都)(令和8年度第2回) 助成対象期間 交付決定日(2027年3月1日予定)から6か月以上2年が経過する日までの間。助成対象期間が6か月を超える場合は、6か月経過以降に1回に限り中間払いを受けられる
キャリアアップ助成金(正社員化コース) 転換後6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内に支給申請
人材開発支援助成金 訓練終了日の翌日から2か月以内に支給申請

事業期間が長い制度ほど、立替えが続く期間も長くなります。支給申請や実績報告の後の審査にかかる期間は、多くの制度で公表されていません。

立替え額は「税込」で用意する

課税事業者は、消費税等仕入控除税額を補助対象経費から減額して申請します(持続化補助金 第20回・新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領)。一方で取引先には消費税を含めて支払うため、用意する現金は税込の金額です。税抜1,000万円の設備に標準税率10%の消費税がかかる場合、支払うのは1,100万円です。

受け取った補助金は課税対象

持続化補助金(第20回)の公募要領は、補助金を「補助金の額の確定を受けた事業年度における収益」として計上し、法人税・所得税の課税対象になるとしています。新事業進出・ものづくり補助金(第1回)の公募要領も、支払を受けた事業年度の収入として計上し、法人税等の課税対象になるとしています。

固定資産の取得に充てた補助金は、圧縮記帳で受け取った年の課税を繰り延べられる場合があります。適用できるかは顧問税理士に確認してください。

概算払いとの違い

一部の補助金には 概算払い が認められるものがあります。額が確定する前に見込みの額で補助金の一部を受け取り、事業完了後に精算する仕組みで、受け取りすぎた分は返納します(会計法22条・予算決算及び会計令58条4号)。取引先へ代金を先に払う「前払い」とは別物です。使えるのは公募要領・交付規程に定めがある制度だけなので、最新の公募要領で確認してください。

→ 精算払い・概算払い・前金払いの違いは概算払いの早見表にまとめています。

立替えへの備え

  • つなぎ融資を申請前から金融機関に相談する(採択や交付決定は融資を保証しません)
  • 自己資金で立て替えられる事業規模に計画を合わせる
  • 取引先と支払条件を相談する場合も、補助事業期間内に支払いを終える必要がある(持続化補助金 第20回は、補助事業期間中に支払いが完了した経費だけが対象)

よくある誤解

  • 「採択されたら入金される」→ 入金は実績報告書確定検査のあとです。
  • 「補助率1/2なら半額の用意でよい」→ 立て替えるのは 事業費の全額(税込)です。
  • 「もらった補助金は全額使える」→ 課税対象です。納税分を残しておく必要があります。

→ 詳細は 補助金の立替えキャッシュフローリスク

公式情報

最終確認日: 2026年9月15日

次に確認すること

  • 用語の扱いは制度ごとに違います。制度一覧から、申請する制度の補助率・上限・公募状況を確認してください。
  • 最終的な条件はその回の公募要領が決めます。当サイトの記載と食い違うときは公募要領が優先です。
  • まだどの制度を使うか決まっていない場合は、3分の無料診断で11制度を一括評価できます。

説明に誤りや古い箇所があればお問い合わせフォームからお知らせください。

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