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デジタル化・AI導入補助金 申請判定ガイド|5つの枠・賃上げ要件・効果報告

デジタル化・AI導入補助金は事務局に登録されたITツールだけが対象で、IT導入支援事業者と共同で申請する。通常枠は5万〜450万円。150万円以上の申請には賃上げ要件があり、未達は返還。効果報告の回数や過去の交付決定による制限も公募要領で解説。

補助金・助成金リアリティ編集部 2026年4月26日公開 最終確認 2026/9/15
この記事の結論

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、事務局に登録されたITツールの導入費用を補助する制度で、IT導入支援事業者と共同で申請します。枠は通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型/電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠・複数者連携デジタル化・AI導入枠の5つで、AI専用の枠はありません。通常枠は補助率1/2(条件付き2/3)・5万〜450万円。150万円以上の申請や、IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者には賃上げ要件があり、未達だと補助金の返還を求められます。

結論

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、事務局に登録されたITツールの導入費用を補助する制度です(2026年8月28日改訂の公募要領で確認)。

  • 補助の対象は事務局に登録されたITツールだけIT導入支援事業者と共同事業体になり、支援事業者から招待された「申請マイページ」で申請します
  • 枠は5つ。AI専用の枠はなく、ITツールの「ソフトウェア」にAIが含まれます
  • 通常枠は補助率1/2(条件付きで2/3)、補助額5万〜450万円
  • 150万円以上の申請や、IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者には賃上げ要件があり、未達だと返還を求められます
  • 交付決定前に契約・発注したITツールは対象外
  • 通常枠の直近の締切(5次)は2026年9月29日17:00

1. 基本スペック

項目 内容
対象者 中小企業・小規模事業者等(業種別の資本金・従業員数の基準あり。医療法人・社会福祉法人・学校法人は従業員300人以下)
補助対象 事務局に登録されたITツール(ソフトウェア購入費、クラウド利用費は最大2年分、導入関連費)
申請方法 IT導入支援事業者から招待された申請マイページで申請(共同事業体)
事前に必要なもの GビズIDプライムSECURITY ACTION(★一つ星または★★二つ星)の宣言
支払 事業実施後の実績報告を経て補助金額が確定してから

2. 申請枠の比較

枠・類型 補助率 補助額 対象
通常枠 1/2以内(最低賃金近傍の従業員が30%以上の月が3か月以上ある場合は2/3以内) 1プロセス以上: 5万〜150万円未満/4プロセス以上: 150万〜450万円 業務の効率化・生産性向上のソフトウェア
インボイス枠(インボイス対応類型) ソフトウェア: 50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者4/5以内)、50万円超の部分は2/3以内/ハードウェア: 1/2以内 ソフトウェア: 会計・受発注・決済のうち1機能は50万円まで、2機能以上は350万円まで(下限なし)/PC・タブレット等10万円、レジ・券売機20万円まで インボイス制度に対応したソフトウェアと、その利用に必要なハードウェア
インボイス枠(電子取引類型) 中小企業・小規模事業者等は2/3以内(その他の事業者等は1/2以内) 350万円まで(下限なし) 取引先に利用させる受発注のクラウドサービス(大企業も申請可)
セキュリティ対策推進枠 1/2以内(小規模事業者は2/3以内) 5万〜150万円 サイバーセキュリティお助け隊サービスの利用料(最大2年分)
複数者連携デジタル化・AI導入枠 基盤導入経費はインボイス対応類型と同じ/消費動向等分析経費は2/3以内 基盤導入経費と消費動向等分析経費の合計で3,000万円まで(別に事務費・専門家費は200万円まで) 複数の中小企業等が連携して行う導入

3. AIツールの扱い

  • 公募要領は、ITツールの「ソフトウェア」にAIを含むと定めています。独立した「AI枠」はありません
  • AIを搭載しているかどうかは、公式の「ITツール検索」で確認できます
  • 通常枠では、ソフトウェアが公募要領の業務プロセス(顧客対応・販売支援、決済・債権債務・資金回収、供給・在庫・物流、会計・財務・経営、総務・人事など、業種固有プロセス)を1つ以上持つ必要があります。「汎用・自動化・分析ツール」だけのITツールは単独では申請できず、業務プロセスと組み合わせる必要があります

4. 賃上げ要件(通常枠)

申請者 要件
150万円以上を申請 3年間の事業計画で、1人当たり給与支給総額の年平均成長率3%以上、かつ事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上。従業員への表明が必要
IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者 150万円未満でも年平均3.5%以上が必須(150万円以上は3.5%以上+30円)
150万円未満で過去の交付決定なし 要件ではなく加点項目
  • 保険医療機関、介護事業者、社会福祉事業者、学校は賃上げ要件の適用外です
  • 事業場内最低賃金の目標が未達の場合は、未達の年以降の年数で按分して返還。給与支給総額の目標が未達の場合は、補助金の全部の返還を求められる場合があります(付加価値額が伸びない場合や天災などは免除の規定あり)
  • このほか、労働生産性を1年後に3%以上、年平均3%以上伸ばす計画が必要です(過去に通常枠などで交付決定を受けた事業者は4%以上)
  • インボイス枠・セキュリティ対策推進枠でも、IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者には3.5%の要件があります

5. 申請の制限と減点

  • 各枠とも1法人・1個人事業主あたり1申請。ほかの枠との同時申請はできます(複数者連携枠は、通常枠・インボイス枠との重複申請はできず、セキュリティ対策推進枠との重複申請はできる)
  • IT導入補助金2025の通常枠などで交付決定を受けた事業者は、交付決定日から12か月以内は通常枠に申請できません
  • 次に当てはまると減点されます
    • IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた
    • 2026年のインボイス枠に申請中、または交付決定を受けた
    • 2024・2025年に交付決定を受けたソフトウェアとプロセスが重複する(完全に一致すると不採択
  • 加点を受けて採択されたのに加点の要件を達成できなかった場合、中小企業庁所管の補助金で18か月間、大幅に減点されます

6. 直近のスケジュール

締切 交付決定(予定) 事業実施・実績報告の期限
通常枠・インボイス枠(2類型)・セキュリティ対策推進枠(5次) 2026年9月29日(火)17:00 2026年11月9日 2027年4月30日
複数者連携デジタル化・AI導入枠(3次) 2026年10月30日(金)17:00 2026年12月10日 2027年5月31日

次の締切は公式サイトで順次公表されます。

7. 落とし穴

落とし穴1: 交付決定前に契約・発注する

交付決定前にITツールを契約・発注した場合は補助対象になりません。支払は銀行振込かクレジットカードの1回払いに限られます。

落とし穴2: 事業実施効果報告を出さない

交付決定後は「事業実施効果報告」が必要です。

報告の回数
通常枠 事業計画期間の前と1〜3年度目の計4回
インボイス枠(2類型)・セキュリティ対策推進枠 期間前・1年度目・3年度目の3回
複数者連携デジタル化・AI導入枠 1年度目・2年度目の2回

賃上げ目標が必須の申請で、期間内に報告しなかった場合は、補助金の全部または一部の返還を求められます。ITツールを解約・利用停止する場合は辞退の手続きが必要で、返還になることがあります。

落とし穴3: 賃上げの約束を軽く見る

150万円以上の申請では、給与支給総額と事業場内最低賃金の目標が返還の条件になります。業績が悪い年も維持できる水準か、申請前に確認してください。

落とし穴4: 以前の交付決定との関係を確認しない

過去の交付決定があると、減点、12か月の申請制限、プロセスの完全一致による不採択があります。前回と同じ種類のツールを入れる場合は特に注意が必要です。

落とし穴5: 申請マイページを支援事業者に任せきりにする

申請マイページのログインIDとパスワードは、IT導入支援事業者を含む第三者に渡してはいけません。事業計画や賃上げの目標は、申請者自身が確認して提出します。

8. 申請を勧めるケース

  • 導入したいソフトウェアが登録ITツールにあり、公募要領のプロセスに当てはまる
  • 交付決定まで契約・発注を待てる
  • 150万円以上なら、3年間の賃上げ目標を維持できる見通しがある
  • 事業実施効果報告に対応できる
  • 過去の交付決定と重複しない

9. 申請を勧めないケース

  • 自社専用のシステムを開発したい(登録ITツールではない)
  • 既に契約したツールの費用に使いたい
  • 数週間以内に導入を始めたい
  • 賃上げの目標を守れる見通しがない
  • 前回の交付決定と同じプロセスのツールを入れたい

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10. よくある質問

Q. 今使っているソフトの費用も対象になりますか?

A. 交付決定前に契約したものは対象外です。対象になるのは、交付決定後に契約・発注する登録ITツールです。複数者連携枠の公募要領では、購入済みソフトの追加ライセンスやリビジョンアップも対象外と明記されています。

Q. クラウドの利用料は何年分が対象ですか?

A. 最大2年分です(オプションは最大1年分)。

Q. AIツール専用の枠はありますか?

A. ありません。ITツールのソフトウェアにAIが含まれるため、通常枠などで申請します。AI搭載かどうかは公式の「ITツール検索」で確認できます。

Q. 見積もりや契約はどう進めますか?

A. 公募要領の手続きの流れでは、ITツールの選定・商談・見積依頼は申請者からIT導入支援事業者に行い、交付申請は申請者とIT導入支援事業者が共同で作成して、申請者が事務局に提出します。ITツールの契約・導入・代金の支払いは交付決定の後で、支払いは原則として銀行振込かクレジットカードの1回払いです。

Q. 採択率はどれくらいですか?

A. 事務局は締切回ごとの申請数と交付決定数を公表しています。2026年9月2日更新の公式の件数から算出すると、1〜3次では通常枠は申請の42〜44%、インボイス枠(インボイス対応類型)は45〜55%が交付決定されています。回ごとの件数は申請数および交付決定数(公式)で確認できます。

11. 情報源


最終確認日: 2026年9月15日 / 編集: 補助金・助成金リアリティ編集部

この記事を書いた人

補助金・助成金リアリティ編集部

中小企業庁・厚生労働省・各都道府県の公式公表内容を一次情報源に、補助金・助成金の「申請すべきか/見送るべきか」を中立的に伝えるための編集チーム。 採択保証表現や申請代行業者の宣伝は行わず、採択率・準備負担・立替期間・実績報告の負荷といった現実的な観点から判断材料を提供することを編集方針としています。

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