ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
ものづくり補助金の対象、補助率、補助上限、採択率の傾向と申請のポイントを解説。
申請要件
申請の難易度
事業計画書が数十ページ規模になることが多く、認定支援機関との連携が事実上必須です。専門家報酬や、申請から採択までの長期的なリソース確保が必要です。
制度の概要
ものづくり補助金(正式名称: ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業庁が所管する革新的な設備投資・新サービス開発を支援する補助金です。製品の試作開発、生産プロセス改善、新サービス事業化など、中小企業の競争力強化につながる取り組みが対象です。
主な対象経費
- 機械装置・システム構築費(メイン)
- 技術導入費
- 専門家経費(コンサル・エンジニア)
- 運搬費
- クラウドサービス利用費(補助対象期間中)
- 知財関連経費(特許出願費等)
- 外注費
- 原材料費(試作のため)
自社人件費は対象外。エンジニア中心の事業者でも自社エンジニア人件費は補助されません。
補助率と上限
- 補助率: 1/2〜2/3(小規模枠は2/3、大企業は1/2)
- 補助上限: 通常枠1,250万円、グリーン枠最大4,000万円、グローバル市場開拓枠等の特別枠あり
申請の要件
- 中小企業基本法の中小企業・小規模事業者
- GビズIDプライムの取得
- 認定経営革新等支援機関の確認書類(事実上必須)
- 賃上げ要件: 給与支給総額 +1.5% / 事業場内最低賃金 +30円 等
採択率と難易度
採択率は公募ラウンドにより35〜55%程度で推移しています。事業計画書(30〜50頁規模)の質と、加点要素(賃上げ・グリーン・デジタル枠等)の活用が採択を左右します。
加点要素
- 賃上げ加点(給与支給総額 +6%等)
- グリーン枠(脱炭素設備)
- デジタル枠(DX投資)
- グローバル市場開拓枠(海外展開)
- パートナーシップ構築宣言
- 経営力向上計画認定
注意点
- 採択後の発注が原則。交付決定前の契約・発注は対象外
- 精算払いのため、事業費全額を一旦自己資金またはつなぎ融資で立替えが必要
- 補助対象期間(10〜12ヶ月)内に検収・支払いまで完了する必要あり
- 賃上げ要件未達は補助金返還命令の対象
- 中古品は原則対象外(妥当性説明があれば一部可)
申請の流れ
- 公募要領確認・GビズIDプライム取得
- 認定経営革新等支援機関の選定・打ち合わせ
- 事業計画書作成(1〜2ヶ月)
- 相見積取得(複数社)
- jGrants で申請
- 採択発表(締切から2〜3ヶ月)
- 交付申請 → 交付決定通知書受領
- 事業実施・検収・支払い
- 実績報告書提出
- 確定検査 → 補助金振込
採択 → 振込まで最短10ヶ月、長いと14ヶ月かかります。
最終確認日: 2026年4月
→ 詳細は ものづくり補助金 申請判定ガイド
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本制度は 交付決定通知の受領後に発注・契約・支払い が原則です。 これに違反すると、採択後でも対象外になります。 公募締切から交付決定まで2〜4ヶ月かかるため、急ぎの案件には不向きです。