結論
研究開発で使える代表的な補助金・助成金は4つあります(2026年4月時点)。
- ものづくり補助金: 中小企業の試作開発、最大1,250万円〜
- 中小企業新事業進出補助金: 新分野展開の事業化、最大1.5億円
- SBIR制度(中小企業技術革新制度): 国の指定R&Dテーマ、フェーズ1〜3
- NEDO委託研究: 先端技術領域、数千万〜数億円規模
基礎研究のみは対象外で、商業化を見据えた応用研究・試作開発が対象です。
1. 研究開発補助金の比較表
| 制度 | 補助率 | 補助上限 | 対象 | 採択難度 |
|---|---|---|---|---|
| ものづくり補助金 | 1/2〜2/3 | 1,250万円〜 | 中小企業の試作開発 | 中 |
| 新事業進出補助金 | 1/2〜2/3 | 1.5億円 | 新分野展開 | 高 |
| SBIRフェーズ1 | 100% | 1,000万円 | 国の指定テーマ | 高 |
| SBIRフェーズ2 | 100% | 1億円 | フェーズ1成功者 | 最高 |
| NEDO委託研究 | 100% | 数千万〜数億円 | 先端技術領域 | 最高 |
2. ものづくり補助金(試作開発枠として活用)
最も使いやすい R&D 補助金。製品試作、プロトタイプ開発、新サービス開発が対象。
- 対象経費: 機械装置費、技術導入費、専門家経費、知財関連経費(特許出願費等)
- 必須: 認定経営革新等支援機関の確認、jGrants申請
- 評価: 技術革新性、事業化可能性、優位性、波及効果
3. 新事業進出補助金(旧・事業再構築補助金)
新分野展開・業態転換に伴うR&Dを支援。既存事業の延長線にない新規事業が対象。
- 補助上限: 最大1.5億円(規模により変動)
- 必須: 認定経営革新等支援機関の事業計画策定支援
- 評価: 新規性、市場成長性、事業計画の精緻さ
4. SBIR制度(特定補助金等の一括ガイドライン制度)
経済産業省・総務省・農林水産省などが指定する技術テーマに対し、研究費を補助・委託する制度。
- フェーズ1: 概念実証(1,000万円程度)
- フェーズ2: 実用化研究(最大1億円)
- フェーズ3: 事業化(民間資金と連携)
ロボット、AI、医療、農業、宇宙、量子など最先端技術領域が対象。
5. NEDO委託研究
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する先端技術R&D。100%委託(補助ではない) で、知財は受託企業に帰属。
- 半導体、バイオ、燃料電池、AI、ロボット等の領域
- 大学・研究機関との共同研究が一般的
- 採択は極めて競争的(数十社中数社)
6. 研究開発補助金の落とし穴
落とし穴1: 基礎研究は対象外
「将来的に役立つかもしれない」基礎研究は不採択。商業化までのロードマップが必要。
落とし穴2: 知財化の制約
ものづくり補助金で取得した知財は 5年間の事業化報告義務 あり。SBIRでは知財開示義務がある場合も。
落とし穴3: 大学との共同研究の経費按分
大学の研究室と共同で開発する場合、経費按分の根拠資料が複雑。共同研究契約書 + 経費負担割合明示が必須です。
落とし穴4: 試作品の販売制限
補助対象期間内に試作品を販売した場合、収益相当額の補助金返還を求められることがあります。
落とし穴5: 採択後の中間評価
ものづくり補助金以外(特に NEDO・SBIR フェーズ2以降)は 中間評価があり、進捗が遅れると補助打切。
7. 申請を勧めるケース
- 商業化までのロードマップが明確
- 認定経営革新等支援機関と継続的に相談できる
- 自社内に R&D 体制(技術者・エンジニア)がある
- 知財戦略(特許出願・営業秘密管理)が計画されている
- 中間報告書を作成できる体制
8. 申請を勧めないケース
- 基礎研究のみ
- 商業化計画が漠然としている
- 試作開発のリソースが社内にない
- 採択後の事務処理(中間報告等)に対応できない
- 知財の取扱いが計画されていない
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9. よくある質問
Q. 研究開発税制との併用は?
A. 多くの補助金では、補助対象経費は研究開発税制の対象から除外されます。重複適用は不可。税理士に確認。
Q. オープンイノベーションの場合は?
A. 大学・他社との共同研究は申請可能ですが、経費按分・知財帰属を契約書で明確化 することが要件。
Q. 海外特許出願は補助対象?
A. ものづくり補助金の知財関連経費として一部対象になる場合あり。詳細は公募要領で確認。
Q. 研究員人件費は対象?
A. 制度により異なります。ものづくり補助金は 自社人件費は対象外、外注の専門家経費は対象。NEDO委託研究は人件費を含む。
Q. 試作品販売収入は?
A. 補助対象期間内の収益化は制限あり。期間外の販売開始が原則。
10. 情報源
最終確認日: 2026年4月26日 / 編集: 補助金・助成金リアリティ編集部
この記事を書いた人
中小企業庁・厚生労働省・各都道府県の公式公表内容を一次情報源に、補助金・助成金の「申請すべきか/見送るべきか」を中立的に伝えるための編集チーム。 採択保証表現や申請代行業者の宣伝は行わず、採択率・準備負担・立替期間・実績報告の負荷といった現実的な観点から判断材料を提供することを編集方針としています。
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