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中小企業新事業進出補助金 申請判定ガイド|大型補助の現実と事業計画づくり

中小企業新事業進出補助金は公募終了。最大9,000万円・下限750万円で、製品の新規性・市場の新規性・新事業売上高の3要件が柱でした。第1〜3回の公式採択件数と、後継制度の新事業進出枠への移り方を整理。

補助金・助成金リアリティ編集部 2026年4月26日公開 最終確認 2026/9/15
この記事の結論

中小企業新事業進出補助金の公募は終了しました(2026年9月15日時点、公式サイトに明記)。 新規の受付は後継的位置づけの新事業進出・ものづくり商業サービス補助金で行われ(第1回 応募申請 2026年9月30日〜10月30日18:00)、本制度に相当するのは「新事業進出枠」(上限7,000万円・賃上げ特例9,000万円・下限750万円)です。以下は中小企業新事業進出補助金の内容で、第3回は1,212件の応募に対し423件が採択されました。事業計画は自社作成認定経営革新等支援機関の関与は任意)で、新規性・新市場性の考え方は後継制度にも共通します。

中小企業新事業進出補助金の公募は終了しています(2026年9月15日時点)

公式サイトに「本補助金の公募は終了しております」と明記され、新規の受付は後継の補助金で行うと案内されています。最後の公募回は第4回(応募締切 2026年6月19日18:00)で、第4回の採択結果発表は公式スケジュールで「令和8年9月末頃」とされています。 新規の申請先は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金で(第1回 応募申請 2026年9月30日〜10月30日18:00、採択発表2027年1月予定)、本制度に相当するのは新事業進出枠(上限7,000万円・賃上げ特例9,000万円・補助下限750万円)です。 ただし事務局は両者を「異なる補助金」と明記しています。また新制度では、申請締切日から過去3年間に新事業進出補助金で交付決定を1回受けている事業者は減点されます。→ 新事業進出・ものづくり補助金 申請判定ガイド

以下は中小企業新事業進出補助金(第4回公募要領)の内容です。新市場性・新規性の考え方は後継制度でも共通するため、参考資料としてご覧ください。

結論

中小企業新事業進出補助金は最大9,000万円(補助下限750万円)の大型補助でした。対象は、自社にとって新しい製品等で、既存事業とは異なる顧客層の市場に進出する事業です。事業計画は自社で作成します(認定経営革新等支援機関の関与は任意。金融機関から資金提供を受ける場合のみ確認書が必要)。

公式の採択件数は、第1回 3,006件中1,118件、第2回 2,350件中832件、第3回 1,212件中423件で、件数から算出すると34.9〜37.2%です。

補助上限は従業員規模別で、20人以下=2,500万円(賃上げ特例3,000万円)/21〜50人=4,000万円(5,000万円)/51〜100人=5,500万円(7,000万円)/101人以上=7,000万円(9,000万円)。補助下限750万円で補助率1/2なので、事業費は1,500万円以上になり、その全額をいったん支払う必要があります。

1. 新事業進出補助金の基本スペック

項目 内容
所管 中小企業庁(公募要領の発行: 独立行政法人中小企業基盤整備機構)
補助率 1/2(地域別最低賃金引上げ特例で2/3)
補助下限 750万円(全規模一律)
補助上限 2,500万円〜9,000万円(従業員規模・賃上げ特例による)
対象 中小企業・小規模事業者等(従業員0名、創業1年未満は対象外)
申請方法 本補助金専用の電子申請システム
GビズID必須
認定支援機関 任意(事業計画は自社作成。金融機関から資金提供を受ける場合のみ確認書が必要)
採択 第1回 37.2%・第2回 35.4%・第3回 34.9%(公式件数から算出)
支払 実績報告・確定検査の後の精算払い
現在の状況 公募終了(第4回の採択結果発表は令和8年9月末頃の予定)

従業員規模別 補助上限

従業員数 補助上限 大幅賃上げ特例
20人以下 2,500万円 3,000万円
21〜50人 4,000万円 5,000万円
51〜100人 5,500万円 7,000万円
101人以上 7,000万円 9,000万円

2. 事業再構築補助金との違い

新事業進出補助金は、事業再構築補助金とは別の制度で、上限額も要件も異なります。本制度の上限は最大9,000万円です。

第4回公募要領では、事業再構築補助金で採択の取消を受けた事業者や、返還命令を受けているのに未返還の事業者などが補助対象外とされていました。また本制度には売上高の減少を求める要件はなく、次の「新事業進出」の定義に当たるかどうかが入口になります。

3. 「新事業進出」に当たるかの判断

公募要領は、次の3つをすべて満たすことを求めていました。

① 製品等の新規性要件

事業で製造・提供する製品等が、自社にとって新規であること。次の場合は該当しません。

  • 既存の製品等の製造量・提供量を増やす
  • 過去に製造していた製品等を再び製造する
  • 単に既存の製品等の製造方法を変える
  • 性能を定量的に測れる製品で、性能が有意に違うとは認められない

② 市場の新規性要件

製品等の属する市場が、自社にとって新たな市場であること。新たな市場とは、既存事業で対象としていなかったニーズ・属性(法人/個人、業種、行動特性等)を持つ顧客層の市場です。次の場合は該当しません。

  • 既存の製品等と対象市場が同じ(既存製品の需要が置き換わるだけ、単なるメニューの追加)
  • 既存の製品等の市場の一部だけを対象にする
  • 既存の製品等で、単に商圏が違うだけ

③ 新事業売上高要件

事業計画期間最終年度に、新たな製品等の売上高又は付加価値額が、応募申請時の総売上高の10%又は総付加価値額の15%以上を占める見込みであること。直近決算の売上高が10億円以上で、進出する事業部門の売上高が3億円以上の場合は、その事業部門の売上高・付加価値額を基準にできます。

4. 採択を左右するポイント

ポイント1: 新規性・新市場性の説得力

自社にとって新しい製品等であることと、顧客層が既存事業と違うことを具体的に示します。考え方は事務局の「新事業進出指針の手引き」に示されています。

ポイント2: 市場成長性

進出先市場の規模・成長率・競合状況を 定量データで示す。

ポイント3: 自社の優位性

既存事業の 資産(技術・人材・取引先)を新事業にどう活かすか。

ポイント4: 目標値と根拠

3〜5年の事業計画期間で、付加価値額(または従業員一人当たり付加価値額)年平均+4.0%以上、一人当たり給与支給総額 年平均+3.5%以上、事業場内最低賃金 地域別最低賃金+30円以上を満たす目標と、その算出根拠を示します。

ポイント5: 事業計画は自社作成(認定支援機関は任意)

事業計画は 自社で作成するのが原則。認定経営革新等支援機関の関与は任意で、金融機関から資金提供を受けて補助事業を実施する場合のみ「金融機関による確認書」が必要になります。

5. 落とし穴

落とし穴1: 既存事業の延長は対象外

既存製品の増産や、単に商圏が違うだけの事業は、製品等の新規性・市場の新規性を満たしません。

落とし穴2: 立替え金額の大きさ

補助率1/2で上限の9,000万円を受けるには、事業費が1億8,000万円以上になります。下限の750万円でも事業費は1,500万円以上で、精算払いのため全額をいったん支払います。

落とし穴3: 補助事業実施期間と変更手続き

補助事業実施期間は交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月以内)でした。交付決定後に補助事業の内容や経費の配分を変える場合は、事前に事務局の承認が必要です。

落とし穴4: 自社での計画策定負担

事業計画は自社作成が原則のため、緻密な事業計画・収支計画を自力でまとめる負担が大きい。必要に応じて認定支援機関や専門家の支援を活用する(関与は任意)。

落とし穴5: 5年間の事業化状況報告と返還

補助事業を完了した日の属する年度の終了後を初回として、以降5年間、事業化状況を報告します。一人当たり給与支給総額・事業場内最低賃金の目標が未達だと、補助金の返還を求められます。

6. 申請を勧めるケース(後継制度の新事業進出枠を検討する場合も共通)

  • 自社にとって新しい製品等で、既存事業とは違う顧客層の市場に進出する具体的な計画がある
  • 既存事業の優位性を活かせる
  • 緻密な事業計画を自社で作成できる(必要なら専門家を活用)
  • 事業費の全額(最低でも1,500万円以上)をいったん支払える資金計画がある
  • 3〜5年、付加価値額と給与を伸ばし続け、5年間の事業化状況報告に対応できる

7. 申請を勧めないケース

  • 既存製品の増産や商圏の拡大にとどまる
  • 新規性が薄い
  • 緻密な事業計画を作成する体制・時間がない
  • 立替え不能(自己資金 + 融資合計でも不足)
  • 交付決定を待たずに着手したい急ぎ案件
  • 過去3年間に本補助金で交付決定を受けており、後継制度で減点になる

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8. よくある質問

Q. 今から申請できますか?

A. できません。公式サイトに「本補助金の公募は終了しております」と明記されています。新市場への進出で申請するなら、後継的位置づけの新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の新事業進出枠(応募申請2026年9月30日〜10月30日18:00)を確認してください。

Q. 採択率はどのくらいでしたか?

A. 公式の採択結果では、第1回 3,006件中1,118件、第2回 2,350件中832件、第3回 1,212件中423件が採択されました。件数から算出すると34.9〜37.2%です。第4回の採択結果発表は、公式スケジュールで令和8年9月末頃とされています。

Q. 売上が減っていないと申請できなかったのですか?

A. いいえ。第4回公募要領の要件に、売上高の減少を求めるものはありません(事業再構築補助金とは別の制度です)。

Q. 認定支援機関への依頼は必須?費用は?

A. 関与は任意で、事業計画は自社作成が原則です(金融機関から資金提供を受ける場合のみ確認書が必要)。専門家・認定支援機関に計画策定の支援を依頼する場合の費用に公的な基準はないため、算定方法と支払時期を契約前に書面で確認してください。

Q. 採択後の計画変更は?

A. 交付決定後に補助事業の内容や経費の配分を変える場合、補助事業を中止・廃止する場合などは、事前に事務局の承認が必要です。

9. 情報源


最終確認日: 2026年9月15日 / 編集: 補助金・助成金リアリティ編集部

この記事を書いた人

補助金・助成金リアリティ編集部

中小企業庁・厚生労働省・各都道府県の公式公表内容を一次情報源に、補助金・助成金の「申請すべきか/見送るべきか」を中立的に伝えるための編集チーム。 採択保証表現や申請代行業者の宣伝は行わず、採択率・準備負担・立替期間・実績報告の負荷といった現実的な観点から判断材料を提供することを編集方針としています。

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