補助金 公募予定 国の制度

事業承継・M&A補助金

事業承継・M&A補助金の4枠を公募要領で整理。補助上限は150万〜2,000万円、事業承継促進枠は承継「予定」の会社が対象。16次の申請は2026年10月2日〜11月6日、直近の採択率は約61%。

中小企業庁 最終確認 2026年9月15日
補助上限
最大 2,000 万円
専門家活用枠の100億企業特例の場合
補助率
33〜67%
採択率(目安)
60〜62%

申請要件

GビズIDプライム
必須

オンライン申請なら最短即日、書類申請は最大1か月。詳細

交付決定前の発注
不可

交付決定日より前の発注・契約・支払は対象外。

見積書
相見積もりが必須

原則2者以上(公募要領の「相見積取得が不要な条件」を除く)。取得していない経費は補助対象外

認定経営革新等支援機関
必須

申請の難易度

4/5

事業計画の作り込みと、交付決定後の報告まで含めた体制づくりが必要です。外部の専門家に助言を求める場合も、事業計画書の作成そのものは自社で行うことを求める制度があります。

制度の概要

事業承継・M&A補助金とは、中小企業庁が所管する、事業承継・引継ぎ(親族内承継・従業員承継・第三者承継/M&A)を契機とする設備投資・専門家活用・PMI(買収後統合)・廃業の費用を支援する補助金です。目的に応じて4つの枠から選びます(令和7年度補正予算事業・16次公募)。

4つの枠と補助上限

補助上限は枠・類型により150万〜2,000万円です。2,000万円は専門家活用枠の「100億企業特例」だけで、特例を除く最大は1,000万円(事業承継促進枠・事業統合投資類型で賃上げ要件を満たした場合)です。

枠・類型 補助率 補助上限 主な用途
事業承継促進枠 小規模事業者等2/3、それ以外1/2 800万円(賃上げ要件を満たせば1,000万円) これから親族・従業員へ承継する会社の設備投資等
専門家活用枠(買い手支援類型・売り手支援類型) 買い手2/3、売り手1/2(営業利益率の低下・赤字なら2/3) 600万円(DDを行う場合は+200万円で800万円) M&Aの仲介・FA・DD費用
専門家活用枠(買い手支援類型 100億企業特例) 1,000万円以下の部分1/2、1,000万円を超える部分1/3 2,000万円 売上高100億円を目指す企業の大型M&A(買い手)
専門家活用枠(小規模売り手支援類型) 2/3 450万円(補助下限なし) 小規模な売り手のM&A費用
PMI推進枠(PMI専門家活用類型) 1/2 150万円 買収後の統合(PMI)の専門家費用
PMI推進枠(事業統合投資類型) 小規模事業者等2/3、それ以外1/2 800万円(賃上げ要件を満たせば1,000万円) 統合に伴う設備投資等
廃業・再チャレンジ枠 2/3(併用申請は併用する枠の補助率) 300万円 廃業費・再チャレンジ

※ 他の枠と併せて廃業費を申請する場合は、上の補助上限に廃業費の分(原則300万円、小規模売り手支援類型は150万円)が上乗せされます。100億企業特例と小規模売り手支援類型は、通常の専門家活用枠と同じ公募回には併願できません。

各枠のポイント

事業承継促進枠

これから事業承継を行う会社のための枠です。同一法人(事業)の中で親族または従業員へ代表者を交代する予定があり、その承継を見据えて行う設備投資等を支援します。「承継を終えた後の会社」向けではありません。第三者へのM&Aは、この枠ではなく専門家活用枠・PMI推進枠の対象です。

16次公募の主な要件(公募要領「6.1 補助対象となる事業承継の要件」):

  • 公募申請期日(2026年11月6日)から5年後の2031年11月5日までに事業承継を完了する予定で、その蓋然性について認定経営革新等支援機関の確認を受けた計画であること
  • 承継予定者が、対象会社の役員・従業員として3年以上の経験がある者、または代表経験のない親族であること
  • 対象会社は3期分の決算・申告を終えていること(個人事業主は開業届と青色申告承認申請の提出から5年経過)
  • 経営権と所有権(株式・持分等)の両方が承継者へ移ること。代表者の交代だけ、グループ内の再編、のれん分け、フランチャイズ等は対象外
  • 期限までに承継が完了しなかった場合は、交付を受けた補助金を返還する(事業者の責めに帰さない事由がある場合を除く)

下限100万円。一人当たり給与支給総額 +3%以上の賃上げ要件を満たすと上限が1,000万円に上がります(800万円を超える部分の補助率は1/2以内。事業化状況報告の時点で未達なら、引き上げ分の最大200万円を返還)。専門家活用枠・PMI推進枠と同じ公募回には申請できません。

専門家活用枠(買い手支援類型/売り手支援類型)

M&Aの仲介会社・FA費用、デューデリジェンス(DD)費用、表明保証保険料等。下限50万円。FA・仲介費用はM&A支援機関登録制度の登録業者によるもののみ補助対象。補助率は買い手2/3以内、売り手は1/2以内(営業利益率の低下・赤字等に当てはまれば2/3以内)。

対象になるのは、補助事業期間内に相手方と基本合意書または最終契約書を締結する予定のM&Aです。申請の時点で契約が済んでいる必要はありません。ただし、期間内にクロージング(最終契約に基づく取引の実行)まで至らなかった場合は補助上限が300万円に下がり、原則としてDD費用だけが対象になります。親族内の事業承継やグループ内の再編は対象外です。16次の補助事業期間は2027年1月下旬(予定)から14か月以内です。

専門家活用枠の100億企業特例(補助上限2,000万円)

将来の売上高100億円を目指して大胆な投資を進める中小企業等の、買い手としてのM&Aを支援する特例です。補助上限は2,000万円で、1,000万円以下の部分は補助率1/2、1,000万円を超える部分は1/3です。通常の買い手支援類型(上限800万円)より要件が厳しく、主に次を満たす必要があります(16次 100億企業特例の公募要領「6.1」)。

  • 公募申請の時点で、自社の「100億宣言」が「100億企業成長ポータル」に公表されていること
  • 被承継者に支払う最低譲渡価額が5億円以上であること
  • 補助対象経費に計上するかどうかにかかわらず、デュー・ディリジェンス(DD)を実施すること
  • 被承継者の従業員の雇用を3年間維持すること(会社都合で維持できなかった場合は、従業員数の減少率に応じて補助金を返還)
  • 水平型・垂直型・集中型のいずれかのシナジーと、地域経済を牽引する事業が見込まれること

特例で不採択になっても、通常の専門家活用枠(上限800万円)の審査には移りません。公募要領は、補助対象事業の金額が少ない場合は、雇用維持要件や返還規定などの違いを確認して類型を選ぶよう注意しています。

PMI推進枠

M&A後の統合作業(PMI)を支援。専門家への委託等のPMI専門家活用類型(上限150万円)と、統合に伴う設備投資等の事業統合投資類型(上限800万円・賃上げで1,000万円)があります。

廃業・再チャレンジ枠

廃業に伴う登記の手続き費用・在庫廃棄費・解体費・原状回復費・リースの解約費等を支援(上限300万円)。他の3枠と併せて申請する「併用申請」と、M&Aで事業を譲り渡せなかった会社の株主や個人事業主が、新会社の設立・新事業・就職などの再チャレンジのために廃業する「再チャレンジ申請」(単独申請・補助率2/3)があります。

承継パターンと使う枠

  • 親族内承継: 代表者の親族が引き継ぐ → 事業承継促進枠(承継に申請)
  • 従業員承継: 役員・従業員が引き継ぐ → 事業承継促進枠(同上)
  • 第三者承継(M&A): 親族・従業員以外が株式譲渡・事業譲渡等で引き継ぐ → 専門家活用枠(仲介・FA・DD費用)、PMI推進枠(買収後の統合)

申請の要件

  • 中小企業・小規模事業者
  • GビズIDプライムの取得(必須)
  • 認定経営革新等支援機関の関与は枠による(事業承継促進枠・廃業・再チャレンジ枠は確認書が必須/専門家活用枠・PMI推進枠は不要)
  • 専門家活用枠のFA・仲介費用は M&A支援機関登録制度の登録業者であること
  • 交付決定に契約・発注・支払いを行うこと(事前着手は対象外)
  • 16次公募の申請受付は2026年10月2日(金)〜11月6日(金)17:00(締切日時を過ぎた申請は受け付けられません。15次は2026年6月19日〜7月24日で終了)

採択率と難易度

採択率の%そのものは公式サイトに載っていませんが、申請件数と採択件数は公表されています。

公募回 申請件数 採択件数 採択率(件数から算出)
14次 512件 311件 60.7%
15次 551件 338件 61.3%

15次を枠別に見ると、事業承継促進枠 115/190件(60.5%)、専門家活用枠 194/312件(62.2%)、PMI推進枠 28/47件(59.6%)、廃業・再チャレンジ枠 1/2件です。およそ4割は不採択なので、枠の要件を満たすことは出発点にすぎず、事業計画の中身で差がつきます。

注意点

  • 事業承継促進枠は、承継を終えた会社ではなく承継を予定している会社が対象。期限(16次は2031年11月5日)までに承継を完了しないと補助金の返還対象
  • 専門家活用枠は、申請時点でM&Aが成立している必要はないが、補助事業期間内にクロージングしないと補助上限が下がる(買い手・売り手支援類型は300万円で原則DD費用のみ、小規模売り手支援類型は50万円で着手金・システム利用料・DD費用)。併用申請した廃業費も対象外になる
  • 廃業・再チャレンジ枠は会計士・弁護士等のサポートが現実的

申請の流れ

  1. 事業計画書を作成(事業承継促進枠・廃業・再チャレンジ枠は認定経営革新等支援機関の確認書を取得)
  2. jGrantsで申請(GビズIDプライム)
  3. 採択発表 → 交付決定通知
  4. 事業実施・経費支払い(交付決定後に発注)
  5. 実績報告 → 確定検査 → 補助金の支払(16次の補助事業期間は2027年1月下旬(予定)から14か月以内)

よくある質問

Q. 親族や従業員への承継はどの枠ですか?承継を終えた後でも申請できますか?

A. 同じ会社・事業の中で親族や従業員へ代表者が交代する承継は、事業承継促進枠です。この枠は承継を「これから行う」会社が対象で、16次は公募申請期日(2026年11月6日)から5年後の2031年11月5日までに承継を終える予定であることが要件です(申請時点では承継前なので、原則として被承継者側が申請します)。承継予定者は、役員・従業員として3年以上の経験がある人か、代表経験のない親族である必要があります。専門家活用枠・PMI推進枠は親族内の事業承継を対象外としているため、親族・従業員への承継を終えた後にその承継について申請できる枠はありません。

Q. M&A仲介会社やFAの手数料は補助されますか?交付決定前に契約していた場合は?

A. 専門家活用枠で補助対象になりますが、M&A支援機関登録制度に登録されたFA・仲介業者の費用(相談料・着手金・中間報酬・成功報酬など)に限られます。契約・発注は交付決定日以降かつ補助事業期間内で、支払いまで期間内に終える必要があり、期間の開始前に仲介会社と契約していた場合は、最終契約や成功報酬の支払が期間内でも対象外です。中間報酬は期間内に相手方と基本合意書(意向表明書は不可)を、成功報酬は最終契約書を締結し、仲介会社との契約書にその支払いが書かれているものが対象です。補助率は買い手2/3以内、売り手1/2以内(営業利益率の低下・赤字なら2/3以内)です。

Q. 個人事業主も申請できますか?

A. できます。ただし青色申告者であることが前提で、事業承継促進枠・専門家活用枠とも、開業届と青色申告承認申請書を税務署に出してから5年が経過している必要があります。事業承継促進枠では、被承継者と承継予定者の共同申請が必須で、承継の形は事業譲渡(被承継者の廃業と承継者の開業など)になります。

Q. 16次の締切と採択発表はいつですか?

A. 16次の申請受付は2026年10月2日(金)〜11月6日(金)17:00で、締切を過ぎた申請は受け付けられません。申請はJグランツの電子申請で、GビズIDプライムの発行には1〜2週間程度(混雑時は3週間程度)かかります。採択結果は中小企業庁と事務局のホームページで公表され、採否はJグランツで通知されます(公募要領に採択発表の予定日の記載はありません)。補助事業期間は2027年1月(下旬予定)から14か月以内が想定されています。

Q. 補助事業期間内にM&Aが成立しなかった場合はどうなりますか?

A. 申請時点でM&Aが成立している必要はありませんが、期間内にクロージング(最終契約に基づく取引が実行され、経営権や所有権の移転が完了すること)まで至らないと、補助上限が下がります。買い手支援類型・売り手支援類型は上限300万円で原則としてDD費用だけが対象、小規模売り手支援類型は上限50万円で着手金・システム利用料・DD費用が対象です。併用申請した廃業費と、専門家活用枠と同時申請したPMI専門家活用類型の費用は対象外になります。

Q. 複数の枠に同時に申請できますか?

A. 組み合わせによって決まっています。事業承継促進枠は専門家活用枠・PMI推進枠と同じ公募回に申請できず、100億企業特例は通常の買い手・売り手支援類型と、小規模売り手支援類型は通常の売り手支援類型と、同じ回に申請できません。専門家活用枠の買い手支援類型はPMI専門家活用類型との「同時申請」ができますが、事業統合投資類型とは同じ回に申請できません。廃業・再チャレンジ枠は他の3枠と「併用申請」でき、廃業費が上乗せされる扱いなので別に申請する必要はありません。

情報源

最終確認日: 2026年9月15日(16次公募要領 Ver.1.0 2026年9月、公式サイトのお知らせ)

→ 詳細は 事業承継・M&A補助金 申請判定ガイド

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申請前の重要な注意

本制度は 交付決定通知の受領後に発注・契約・支払い が原則です。 これに違反すると、採択後でも対象外になります。 交付決定を受けるまで発注できないため、急ぎの案件には不向きです。採択発表や交付決定の日程は、制度の公募要領で確認してください。

採択保証はありません
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