結論
ホームページ制作で使える国の補助金の中心は、小規模事業者持続化補助金の「ウェブサイト関連費」です。ただし第20回の公募要領(第8版)では、ウェブサイト関連費の補助金額は30万円(税込)が上限で、ウェブサイト関連費だけでの申請はできません。
補助率2/3なので、補助金30万円に届くのは制作費45万円(税込)の場合です。それを超える部分は自己負担になります。ホームページ制作は、展示会出展や新商品開発など、ほかの販路開拓の取り組みと組み合わせて計画する必要があります。
1. ホームページ制作に使える主な補助金・助成金
制度ごとの比較
各制度の公募要領・募集要項で確認した内容です。
| 制度(公募回) | ホームページ制作の扱い | 補助率・助成率 | 上限 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 持続化補助金(第20回) | 「ウェブサイト関連費」で対象。補助金は30万円(税込)まで | 2/3(賃金引上げ特例を使う赤字事業者は3/4) | 50万円(特例で最大250万円) | ウェブサイト関連費だけでは申請できない。商工会・商工会議所の事業支援計画書(様式4)が必要 |
| デジタル化・AI導入補助金(2026 通常枠) | 対象外。事務局に登録されたITツールの導入費用が対象で、顧客側画面の新規制作はスクラッチ開発として対象外 | 1/2(最低賃金近傍の従業員が多い事業者は2/3) | 5万〜150万円未満(1プロセス以上)、150万〜450万円以下(4プロセス以上) | ホームページの制作費には使えない |
| 新事業進出・ものづくり補助金(第1回) | 補助事業のPR等に係るウェブサイトの構築は「広告宣伝・販売促進費」で対象 | 1/2(特例の適用や、革新的新製品・サービス枠の小規模事業者等は2/3) | 枠と従業員数で異なる(補助下限は革新的新製品・サービス枠100万円、新事業進出枠750万円) | 補助の対象は新製品・新サービスの開発や新市場への進出。広告宣伝・販売促進費の上限は、事業計画期間1年あたりの補助事業の売上見込み額(税抜)の5% |
| 東京都創業助成金(令和8年度第2回) | 「広告費」にホームページ作成を含む。予約・決済などのシステム、オンラインショップの出店、自社サイト内の販売ページは対象外 | 2/3 | 400万円(下限100万円) | 都内で創業予定または創業5年未満で、指定された創業支援事業の利用が要件 |
小規模事業者持続化補助金(第20回)
- 対象: 小規模事業者(商業・サービス業は従業員5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下)
- 補助率: 2/3(賃金引上げ特例を使う赤字事業者は3/4)
- 補助上限: 50万円(インボイス特例・賃金引上げ特例で最大250万円)。ただしウェブサイト関連費は30万円(税込)まで
- ウェブサイト関連費の対象例: 商品販売のためのウェブサイト作成や更新、効果や作業内容が明確なSEO対策、掲載する宣材写真・動画の制作
- 対象外の例: ウェブサイト関連のコンサルティング費用、補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ
- 必須: 商工会・商工会議所の事業支援計画書(様式4)
- 申請: 2026年11月5日〜12月15日17:00、事務局の電子申請システムのみ
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)
補助の対象は、事務局に登録されたITツール(ソフトウェア・クラウドサービス)です。ホームページの制作そのものを補助する制度ではありません。たとえば予約機能では、顧客が使う画面を新たに制作する費用は「スクラッチ開発に該当するため対象外」と公募要領に明記されています。
新事業進出・ものづくり補助金(第1回)
補助事業で製造・提供する製品やサービスのPRなどに使うウェブサイトの構築は、「広告宣伝・販売促進費」に含まれます。ただし補助の対象は新製品・新サービスの開発や新市場への進出の取組で、ホームページ制作だけを目的に使う制度ではありません。
- 広告宣伝・販売促進費の上限: 事業計画期間1年あたりの、補助事業で新たに製造等する製品等の売上見込み額(税抜)の5%
- 100万円(税抜)以上のウェブサイト構築費を計上する場合は、実績報告時に開発費用の算出資料(作業単価、作業工数など)を提出する
- 補助事業実施期間内にウェブサイトを公開することが必要で、発注・契約は交付決定の後
- 第1回の公募期間は2026年10月30日18:00まで
東京都創業助成金(都内で創業予定・創業5年未満)
対象経費の「広告費」に、ホームページ作成が含まれます(予約・決済などのシステム構築、ECサイト・販売ページは対象外)。上限400万円・助成率2/3で、指定された創業支援事業の利用が要件です。
自治体の制度
区市町村・都道府県が独自にホームページ制作を含む支援を設けていることがあります。要件・金額は自治体ごとに違うため、地域の商工会・商工会議所や自治体の窓口で確認してください。
2. 「ホームページ制作で補助金」の落とし穴
落とし穴1: 補助金30万円を前提に高額な制作を契約する
持続化補助金のウェブサイト関連費は、補助金額30万円(税込)が上限です。「上限250万円だから高いサイトも作れる」とは考えないでください。
落とし穴2: 交付決定前に発注する
発注・契約・支払ができるのは交付決定日からです。第20回は採択発表が2027年3月頃、交付決定がその1〜2か月後なので、すぐにホームページが必要な場合は補助金を待てません。
落とし穴3: 後払いで入金まで時間がかかる
制作費はいったん全額を支払い、実績報告と確定検査の後に補助金が支払われます。第20回は補助事業の実施期限が2028年3月31日、実績報告の期限が4月10日です。
落とし穴4: 期間内に公開できない
補助事業期間内に運用に至らなかったホームページやランディングページは対象外です。制作会社のスケジュールに余裕を持たせてください。
落とし穴5: 見積もりの取り方
採択発表後、交付決定までに見積書等を提出します。1件50万円(税込)を超える発注は2者以上の見積もりが必要です。
3. 持続化補助金でホームページを作る流れ
- 公募要領を読み、ホームページを含む販路開拓の計画を作る
- 商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼(第20回は2026年12月4日まで)
- 電子申請システムで申請(2026年11月5日〜12月15日17:00)
- 採択発表 → 見積書等の提出 → 交付決定
- 発注・制作・公開・支払 → 実績報告 → 確定検査 → 補助金の支払
- 事業終了から1年後に事業効果等状況報告
4. 補助金を使うべきでないケース
- すでに制作会社と契約・発注している
- 数か月以内に公開しなければならない
- ホームページ制作だけに使いたい
- 制作費を全額立て替える資金がない
- 制作会社が「補助金で実質負担なし」と強調している(補助率は2/3で、ウェブサイト関連費の補助は30万円まで)
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5. よくある質問
Q. ホームページ制作費は全額補助されますか?
A. いいえ。持続化補助金の補助率は2/3で、ウェブサイト関連費の補助金額は30万円(税込)が上限です。たとえば制作費60万円(税込)なら、補助金は30万円です。
Q. ホームページだけで申請できますか?
A. できません。第20回の公募要領では、ウェブサイト関連費のみによる申請はできないと定められています。
Q. ネット広告やSNS広告もホームページの経費に入りますか?
A. 入りません。インターネット広告やSNS広告は「広報費」で、こちらも補助金額30万円(税込)が上限です。
Q. 採択率はどれくらいですか?
A. 中小企業庁の発表では、一般型・通常枠の採択率(件数から算出)は第17回51.1%、第18回47.5%、第19回47.2%です。回によって変わるため、申請前に直近の回の結果を確認してください。当サイトでは採択を保証しません。
6. 情報源
- 小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回 公募要領(PDF)
- デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠/PDF)
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回 公募要領(PDF)
- 令和8年度第2回 創業助成事業 募集要項(PDF)
- TOKYO創業ステーション 創業助成事業
最終確認日: 2026年9月15日 / 編集: 補助金・助成金リアリティ編集部
この記事を書いた人
中小企業庁・厚生労働省・各都道府県の公式公表内容を一次情報源に、補助金・助成金の「申請すべきか/見送るべきか」を中立的に伝えるための編集チーム。 採択保証表現や申請代行業者の宣伝は行わず、採択率・準備負担・立替期間・実績報告の負荷といった現実的な観点から判断材料を提供することを編集方針としています。
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