用途解説

事業承継・M&Aで使える補助金|事業承継・M&A補助金の4つの枠と専門家活用

事業承継・M&A補助金は複数の枠に分かれ、承継後の経営革新、M&A専門家費用、廃業に伴う費用を対象にする。認定経営革新等支援機関の関与は枠により異なる。

補助金・助成金リアリティ編集部 2026年4月26日公開 最終確認 2026/6/30
この記事の結論

[事業承継・M&A補助金](/subsidies/jigyo-shokei)は複数の枠に分かれます: 事業承継促進枠(承継後の設備投資、最大800万〜1,000万円)、専門家活用枠(M&A仲介会社費用、最大600万円)、PMI推進枠、廃業・再チャレンジ枠(廃業に伴う費用)。**認定経営革新等支援機関の関与は枠により異なり**(事業承継促進枠・廃業再チャレンジ枠は確認書が必須)、税理士・公認会計士のサポートが現実的。

結論

事業承継・M&Aで使える代表的な補助金は 事業承継・M&A補助金(中小企業庁)です(2026年6月時点・令和7年度 第15次公募)。4つの枠に分かれており、用途で使い分けます。

認定経営革新等支援機関(税理士・公認会計士・弁護士・地域金融機関等)の関与が必須で、自社のみでの申請はほぼ不可能です。

1. 事業承継・M&A補助金の4つの枠

事業承継促進枠(承継後の設備投資・販路開拓)

承継 + 5年以内の中小企業が、新たな取り組み(設備投資、販路開拓、新商品開発等)を行う場合。

  • 補助率: 1/2〜2/3
  • 補助上限: 800万円(賃上げ要件達成で1,000万円)/下限100万円
  • 対象経費: 機械装置、店舗改装、広告宣伝、外注費等

専門家活用枠(M&A仲介・FA費用)

M&A実施に伴う仲介会社・FA(ファイナンシャルアドバイザー)費用、デューデリジェンス費用等。買い手支援類型・売り手支援類型があります。

  • 補助率: 1/2〜2/3
  • 補助上限: 600万円(DD実施で最大800万円)/下限50万円
  • 対象経費: M&A仲介手数料、DD費用、専門家費用、表明保証保険料
  • ※ FA・仲介費用はM&A支援機関登録制度の登録業者のみ対象

PMI推進枠(買収後の統合)

M&A後の統合作業(PMI)を支援。PMI専門家活用類型(上限150万円)と、統合に伴う設備投資等の事業統合投資類型(上限800万円・賃上げで1,000万円)。

  • 補助率: 1/2〜2/3

廃業・再チャレンジ枠

廃業に伴う在庫処分費、原状回復費、解雇予告手当、再チャレンジ事業の準備費用。

  • 補助率: 2/3
  • 補助上限: 300万円(他の枠と併用可)
  • 対象経費: 設備処分費、原状回復費、廃業登記費用等

2. 4枠の比較表

補助上限 対象シーン 必須要件
事業承継促進 800万円(賃上げで1,000万円) 承継後の事業強化 承継5年以内・認定支援機関の確認書
専門家活用 600万円(DD実施で800万円) M&A実施 登録M&A支援機関との契約
PMI推進 150万〜1,000万円 買収後の統合
廃業・再チャレンジ 300万円 廃業・再起 廃業計画明確化・認定支援機関の確認書

※ 専門家活用枠には「買い手支援類型 100億企業特例(上限2,000万円)」「小規模売り手支援類型(上限450万円)」もあります。

3. 対象になる事業承継のパターン

親族内承継

代表者の親族(子、配偶者、兄弟姉妹)が事業を引き継ぐ。最も伝統的なパターンですが、近年は減少傾向。

従業員承継(MBO等)

役員・従業員が経営権を取得して承継。マネジメント・バイ・アウト(MBO)も含む。

第三者承継(M&A)

親族・従業員以外の第三者(個人または法人)が事業を取得。仲介会社経由が一般的。

4. M&A補助金の現実的な使い方

M&A仲介会社費用は本当に補助される?

はい。多くの場合、M&A仲介会社の 成功報酬 が補助対象になります。

  • 着手金(数十万円): 補助対象
  • 中間金(数百万円): 補助対象
  • 成功報酬(数百万円〜): 補助対象(上限あり)

ただし、M&A仲介会社が登録機関であること、契約書が補助対象期間内であることが要件です。

DD(デューデリジェンス)費用も対象

法務DD(弁護士費用)、財務DD(公認会計士費用)、ビジネスDD(コンサル費用)も補助対象。

5. 落とし穴

落とし穴1: 枠により認定経営革新等支援機関の確認書が必須

事業承継促進枠・廃業再チャレンジ枠では認定支援機関の確認書が必須です(専門家活用枠・PMI推進枠は不要)。確認書が必要な枠では、税理士・公認会計士・地域金融機関などの 認定支援機関 に相談する必要があります(一般の税理士でも認定を取得していない場合あり)。

落とし穴2: 承継後すぐの申請は難しい

事業承継促進枠は「承継 + 5年以内」が対象ですが、承継後の事業実績が必要。承継直後の申請は事業計画の説得力が弱く、不採択リスクが高まります。

落とし穴3: 専門家活用枠は M&A 完了が要件のケース

「これからM&Aする」段階での申請は対象外で、契約締結後が要件のケースが多い。事前に最新公募要領で確認してください。

落とし穴4: 廃業・再チャレンジ枠の手続きが複雑

廃業に伴う各種費用は、領収書の証憑が極めて重要。会計士・弁護士のサポートが事実上必須です。

6. 申請を勧めるケース

  • 承継5年以内で新たな投資・販路開拓を計画
  • M&Aを実施中(または完了直後)で仲介費用の補助を受けたい
  • 認定経営革新等支援機関と継続的な関係がある
  • 事業計画書を支援機関とともに作れる

7. 申請を勧めないケース

  • 承継準備が始まっていない(後継者未定)
  • M&A実施予定が漠然としている
  • 認定支援機関のサポートを受けられない
  • 自社のみで事業計画を作る予定
  • 1〜2ヶ月以内に M&A 完了したい急ぎ案件

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8. よくある質問

Q. 個人事業主でも対象?

A. はい、個人事業主の事業承継・廃業も対象です。

Q. 親族内承継だけでも申請できる?

A. はい。親族内承継後の新たな取り組み(設備投資・販路開拓)は事業承継促進枠の対象です。

Q. M&A検討中でも申請できる?

A. 専門家活用枠は M&A実施が事実上の要件。検討段階のみでは対象外になることが多い。最新公募要領で確認してください。

Q. 廃業 + 再チャレンジは別事業者として申請?

A. 同一事業者として申請可能。廃業計画と再チャレンジ計画を一体で示すことが要件。

9. 情報源


最終確認日: 2026年6月29日 / 編集: 補助金・助成金リアリティ編集部

この記事を書いた人

補助金・助成金リアリティ編集部

中小企業庁・厚生労働省・各都道府県の公式公表内容を一次情報源に、補助金・助成金の「申請すべきか/見送るべきか」を中立的に伝えるための編集チーム。 採択保証表現や申請代行業者の宣伝は行わず、採択率・準備負担・立替期間・実績報告の負荷といった現実的な観点から判断材料を提供することを編集方針としています。

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