交付決定通知

コウフケッテイツウチ
最終確認 2026/9/15
ひとこと定義

交付決定通知とは、補助金の交付決定の内容と付された条件を申請者に知らせる法定の通知(補助金適正化法8条)。この通知を受けてから発注・契約・支払いが補助対象になり、内容に不服があれば期日までに申請を取り下げることもできる。

交付決定通知とは

交付決定通知は、補助金の交付決定の内容と、それに付された条件を申請者に知らせる通知です。国の補助金では法律で通知が義務づけられています。

各省各庁の長は、補助金等の交付の決定をしたときは、すみやかにその決定の内容及びこれに条件を附した場合にはその条件を補助金等の交付の申請をした者に通知しなければならない。 (補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律 第8条)

条文が「決定の内容及び条件」と書いているとおり、この通知書は「いくら出ます」という金額のお知らせではなく、守るべき条件が確定する文書です。補助事業者はこの「交付の決定の内容及びこれに附した条件」に従う義務を負い(同法11条)、違反すると、交付決定の取消(17条)、返還命令(18条)、年10.95%の加算金(19条)の対象になります。

採択発表とは別のもの

採択発表 交付決定
意味 補助金交付候補者として選ばれた 交付する額と条件が確定した
発注できるか できない できる
金額 採択時点の申請額(確定ではない) 精査で減額されることがある

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金や省力化投資補助金(一般型)では、採択されてから交付申請を出し、その内容を事務局が精査して交付決定に至ります。採択時の申請額がそのまま通るとは限りません。 対象外と判断された経費が落とされ、交付決定額が下がることがあります(新事業進出・ものづくり補助金では、交付決定額が採択時点の補助金申請額を上回ることはありません)。

持続化補助金(第20回)も、発注・契約・支出は交付決定通知書に記載された交付決定日から可能で、採択通知書だけでは補助事業を始められないと明記しています。

【重要】内容に納得できないときは「申請の取下げ」ができる

あまり知られていませんが、法律には次の定めがあります。

補助金等の交付の申請をした者は、前条の規定による通知を受領した場合において、当該通知に係る補助金等の交付の決定の内容又はこれに附された条件に不服があるときは、各省各庁の長の定める期日までに、申請の取下げをすることができる。 (同法 第9条1項)

取り下げると、その交付決定はなかったものとみなされます(同条2項)。

これが効いてくるのは、減額された交付決定が届いたときです。減額の結果、自己負担が想定を大きく超えるといった場合に、「条件を受け入れて進む」以外の選択肢があるということです。なお新事業進出・ものづくり補助金では、減額で補助金額が補助下限額を下回ると採択取消になります。ただし期日が定められているので、通知が届いたら金額と条件をすぐ確認してください。

交付決定後に事情が変わった場合

交付決定の後の事情の変更で特別の必要が生じたときは、交付決定の全部または一部が取り消されたり、内容・条件が変更されたりすることがあります(同法10条1項)。取消ができるのは、天災地変など交付決定後に生じた事情の変更で補助事業の全部または一部を継続する必要がなくなった場合などに限られ(同条2項)、すでに経過した期間に係る部分は対象外です。

交付決定前にできること・できないこと

交付決定 交付決定
見積の取得・打ち合わせ
発注書の発行・契約締結 ×
経費の支払い × ○(補助対象期間内)
納品・検収 ×

発注・契約の日付は、発注書・契約書・納品書・領収書といった証憑で確認されます。「交付決定前に口頭で頼んでおいて、書類だけ後で作る」といった帳尻合わせは虚偽の申請にあたり、交付決定の取消の対象になります。

事前着手承認は、着手する前に承認を得た場合に限って交付決定前の発注を認める仕組みで、事後には使えません。当サイトが公募要領で確認した主な国の中小企業向け補助金(2026年9月時点)には、この仕組みはありません。

通知書の保管

交付決定通知書は、実績報告書の作成時や確定検査、金融機関へのつなぎ融資の相談時に必要になります。保存期間は制度ごとに定められているため(例: 持続化補助金 第20回は補助事業の終了日の属する年度の終了後5年間)、公募要領・交付規程の「書類の保存」の項を確認してください。取得財産には処分制限期間もあるため、事業終了後も一定期間は一式を残す前提で管理してください。

→ 詳細は 補助金「交付決定前」発注の落とし穴

出典

最終確認日: 2026年9月15日

次に確認すること

  • 用語の扱いは制度ごとに違います。制度一覧から、申請する制度の補助率・上限・公募状況を確認してください。
  • 最終的な条件はその回の公募要領が決めます。当サイトの記載と食い違うときは公募要領が優先です。
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