結論
ECサイト構築で使える代表的な補助金は IT導入補助金(通常枠・インボイス対応類型) と 小規模事業者持続化補助金 の2つです(2026年4月時点)。
ただし、IT導入補助金は 登録ITツールの中から選定 する必要があり、フルスクラッチのEC開発は対象外です。持続化補助金はECを「販路開拓計画の一部」として位置付ける必要があり、EC単体では採択されにくい傾向があります。
1. EC構築で使える主な補助金
IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)
最も実績が多い制度。「IT導入支援事業者」が事前登録した EC構築 SaaS を選び、共同申請する形をとります。Shopify、BASE、makeshop、ecforce など主要 EC ASP の多くが登録済みです。
- 補助率: 1/2 〜 3/4(枠による)
- 補助上限: 通常枠 450万円、インボイス対応類型 350万円
- 申請方法: 電子申請(jGrants)で IT導入支援事業者と共同申請
小規模事業者持続化補助金
EC構築費は「ウェブサイト関連費」として補助対象。ただし補助対象経費全体の1/4以内という制限があり、EC構築費だけで上限まで使うことはできません。販路開拓計画(広告・展示会・新商品開発など)の一部として組む必要があります。
ものづくり補助金(製品開発を伴う場合のみ)
新規 EC で 新商品の販売 を行う場合、商品開発費 + EC構築費を組み合わせた申請が可能なケースがあります。ただし「ECだけ」では採択されません。
2. 制度比較表
| 制度 | 補助率 | 補助上限 | 対象 | 採択難度 |
|---|---|---|---|---|
| IT導入補助金(通常枠) | 1/2〜3/4 | 450万円 | 登録ITツール | 中 |
| 持続化補助金 | 2/3 | 50〜250万円 | 販路開拓全体の一部 | 中 |
| ものづくり補助金 | 1/2〜2/3 | 1,250万円〜 | 新商品開発を伴うEC | 高 |
3. 「EC構築で補助金」の落とし穴
落とし穴1: スクラッチ開発は対象外
IT導入補助金は登録 SaaS 限定です。「自社オリジナル EC を一から開発」は対象になりません。Shopify や BASE などの ASP を選ぶ前提で計画してください。
落とし穴2: 既存 EC の改修は対象外になりがち
「既に EC を持っていて改修したい」というケースは、IT導入補助金では新規導入扱いにならず採択困難です。リニューアルなら持続化補助金の方が適合する場合があります。
落とし穴3: 商品撮影・コンテンツ制作費は範囲外
EC自体の構築費は補助対象でも、商品撮影・モデル撮影・動画制作は対象外になることが多くあります。公募要領で「対象経費」を厳密に確認してください。
落とし穴4: 売上目標と整合性がない計画は不採択
「とりあえず EC を作る」では採択されません。販売予定商品・想定 CVR・月次売上目標 を計画書に明記する必要があります。
4. 申請の流れ(IT導入補助金の場合)
- GビズIDプライム取得(2〜3週間)
- IT導入支援事業者を選定し、登録ITツールから EC を選定
- 共同で交付申請書を作成、jGrantsで提出
- 採択発表(締切から約2ヶ月後)
- 交付決定 → EC契約・構築 → 支払い → 実績報告 → 入金
採択から振込まで 6〜8ヶ月を見ておく必要があります。
5. 申請を勧めないケース
- 1〜2ヶ月以内に EC を立ち上げたい急ぎ案件
- 自社オリジナル EC を希望している(登録ITツールに該当製品なし)
- EC構築費のみで売上計画がない
- 既存 EC のマイナーな改修
- 自己資金で EC構築費を立て替えられない
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6. よくある質問
Q. Shopify でも補助金は使えますか?
A. はい、Shopify は IT導入支援事業者経由で IT導入補助金の対象 EC ツールとして登録されています。ただし、自分で Shopify を契約済みの場合は対象外です。必ず IT導入支援事業者経由で新規契約する必要があります。
Q. BASE や STORES のような無料 EC は対象ですか?
A. 無料プランは対象外です。有料プラン + IT導入支援事業者経由での導入が要件です。
Q. EC構築後の運営費(広告費等)は補助対象ですか?
A. 多くの場合、運営費は対象外です。ただし持続化補助金の広報費としてリスティング広告費は対象になることがあります。
7. 情報源
最終確認日: 2026年4月26日 / 編集: 補助金・助成金リアリティ編集部
この記事を書いた人
中小企業庁・厚生労働省・各都道府県の公式公表内容を一次情報源に、補助金・助成金の「申請すべきか/見送るべきか」を中立的に伝えるための編集チーム。 採択保証表現や申請代行業者の宣伝は行わず、採択率・準備負担・立替期間・実績報告の負荷といった現実的な観点から判断材料を提供することを編集方針としています。
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