結論
キャリアアップ助成金は非正規雇用労働者の処遇改善に対する助成金です(2026年4月時点)。
**正社員化コース(1人57万円〜)が最も使われています。要件を満たせば原則受給できますが、キャリアアップ計画書の事前提出**が必須。雇用保険適用事業所であること、就業規則・賃金台帳の整備が前提です。
1. キャリアアップ助成金の基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所管 | 厚生労働省 |
| 助成額 | 定額(コースによる) |
| 対象 | 雇用保険適用事業所 |
| 申請方法 | 都道府県労働局(郵送) |
| GビズID必須 | ❌ |
| 採択率 | 70〜90%(要件充足で原則受給) |
| 振込まで | 6〜10ヶ月 |
2. 主なコース
正社員化コース(最も使われる)
有期雇用労働者を正社員に転換した場合に支給。
- 支給額: 1人 57万円〜120万円(中小企業)
- 加算: 多様な正社員化(短時間正社員・職務限定)、有期実習型訓練修了者等
- 要件: 6ヶ月以上の有期雇用 → 正社員化
賃金規定等改定コース
非正規労働者の 基本給の賃金規定を3%以上改定した場合。
- 支給額: 1人 5〜6.5万円(雇用形態・改定率による)
賃金規定等共通化コース
正規・非正規労働者の賃金規定を共通化した場合。
- 支給額: 1事業所あたり60万円
賞与・退職金制度導入コース
非正規労働者向けの賞与・退職金制度を新設した場合。
- 支給額: 1事業所あたり40万円〜
短時間労働者労働時間延長コース
短時間労働者の労働時間を延長した場合。
- 支給額: 1人 5〜18万円
3. 申請の流れ
- キャリアアップ計画書を作成
- 都道府県労働局に 計画書を事前提出
- 計画書認定(数週間)
- 計画に基づく取り組み実施(正社員化等)
- 取り組み完了後 6ヶ月の継続雇用
- 6ヶ月経過後 2ヶ月以内に支給申請
- 審査 → 支給決定 → 振込
採択発表ではなく 要件充足判定のため、要件を満たせば原則支給。
4. 採択(要件充足)を左右するポイント
ポイント1: キャリアアップ計画書の事前提出
雇用前または転換前に 必ず計画書を提出。事後申請は対象外。
ポイント2: 就業規則・賃金台帳の整備
正社員化転換規程、有期雇用契約書、賃金台帳が一貫している必要あり。
ポイント3: 雇用保険・労災保険の完納
未納事業所は対象外。
ポイント4: 直近6ヶ月の解雇歴
事業主都合解雇が直近6ヶ月以内にある場合、対象外になることが多い。
ポイント5: 6ヶ月の継続雇用
正社員化後、6ヶ月以上の継続雇用が要件。途中退職されたら対象外。
5. 落とし穴
落とし穴1: 計画書の事前提出忘れ
最も多い失敗。「採用してから計画書出そう」は 絶対NG。
落とし穴2: 正社員化の定義誤解
「正社員」は 期間の定めなし + 賞与・退職金あり等の要件あり。フルタイム正社員でない場合は注意。
落とし穴3: 中途退職
正社員化後6ヶ月以内の 中途退職で対象外。
落とし穴4: 賃金規定改定の3%要件
「賃金規定等改定コース」は 基本給を3%以上の改定が要件。1〜2%では対象外。
落とし穴5: 同一労働者の重複適用
業務改善助成金等との 同一賃上げ重複適用不可。
落とし穴6: 社労士費用が高い
社労士事務所への申請代行は 支給額の10〜30%。手元に残る助成金が減る。
6. 申請を勧めるケース
- 雇用保険適用事業所
- 就業規則・賃金台帳が整備済
- 直近6ヶ月以内に事業主都合解雇なし
- 採用予定者の属性が要件と合致
- 6ヶ月以上の継続雇用が確実
- 社労士サポートを受けられる
7. 申請を勧めないケース
- 雇用保険・労災保険未加入
- 就業規則が未整備
- 計画書事前提出を忘れた
- 正社員化後の継続雇用が不確実
- 助成金目当ての無理な雇用
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8. よくある質問
Q. パートタイマーの正社員化は対象?
A. 6ヶ月以上の有期雇用 → 正社員化なら対象。最初から正社員雇用は対象外。
Q. 派遣社員の直接雇用化は?
A. 派遣期間6ヶ月以上 → 正社員化で対象。
Q. 正社員化の定義は?
A. 「期間の定めのない雇用」+ 「就業規則上の正社員区分への移行」。詳細は労働局に確認。
Q. 助成金は何回もらえる?
A. 同一事業者で 年間最大20人等の制限あり。詳細は最新公募要領で確認。
9. 情報源
最終確認日: 2026年4月26日 / 編集: 補助金・助成金リアリティ編集部
この記事を書いた人
中小企業庁・厚生労働省・各都道府県の公式公表内容を一次情報源に、補助金・助成金の「申請すべきか/見送るべきか」を中立的に伝えるための編集チーム。 採択保証表現や申請代行業者の宣伝は行わず、採択率・準備負担・立替期間・実績報告の負荷といった現実的な観点から判断材料を提供することを編集方針としています。
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