結論
採用・人材確保で使える代表的な助成金は 厚生労働省系が中心です。補助金と違い、要件を満たせば原則受給できる点が最大の特徴です(2026年4月時点)。
ただし、就業規則・賃金台帳の整備、雇用保険料の完納が前提条件で、書類不備が多いと不支給になります。社労士事務所のサポートが現実的です。
1. 採用関連の主要助成金
キャリアアップ助成金(正社員化コース)
非正規雇用労働者を正社員に転換した場合に支給。1人あたり57万円から。
- 対象: 雇用保険適用事業所
- 要件: 6ヶ月以上の有期雇用 → 正社員化
- 支給額: 1人57万円〜120万円(加算あり)
- 重複: 中小企業事業主の上限あり
特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)
高齢者、障害者、母子家庭等の就職困難者を雇い入れた事業主に支給。
- 対象: ハローワーク経由での雇用
- 支給額: 1人60〜240万円(対象労働者属性による)
- 期間: 1〜3年で分割支給
トライアル雇用助成金
職業経験不足者を3ヶ月間試用雇用 → 本採用検討。
- 対象: 35歳未満の若年者、ニート・フリーター等
- 支給額: 1人月4万円 × 3ヶ月(最大12万円)
人材開発支援助成金
採用後の研修・OJT費用を助成。
2. 助成金の比較表
| 助成金 | 対象 | 支給額 | 申請方法 |
|---|---|---|---|
| キャリアアップ(正社員化) | 有期雇用 → 正社員 | 1人57万円〜 | 都道府県労働局 |
| 特定求職者(就職困難者) | 高齢者・障害者等 | 1人60〜240万円 | ハローワーク |
| トライアル雇用 | 35歳未満等 | 1人月4万円×3ヶ月 | ハローワーク |
| 人材開発支援 | 採用後研修 | 訓練経費の45〜75% | 都道府県労働局 |
3. 申請の前提条件
必須条件1: 雇用保険適用事業所
雇用保険に加入していない事業所は対象外です。雇用保険料の滞納がないことも要件。
必須条件2: 就業規則・賃金台帳の整備
10人以上の事業所は労基署への就業規則届出が必須。10人未満でもキャリアアップ計画書の作成・労働局への提出が必要。
必須条件3: 過去6ヶ月間の解雇歴
事業主都合解雇が直近6ヶ月以内にある場合、多くの助成金で対象外になります。
必須条件4: 労務管理の適正性
サービス残業、未払い賃金、労災未加入などの違反があると不支給。労基署の調査が入る可能性も。
4. 落とし穴
落とし穴1: 「採用したから助成金もらえる」は誤解
雇用後すぐ申請ではなく、雇用継続6ヶ月後などの要件を満たして初めて申請できます。途中退職されたら不支給。
落とし穴2: 計画書の事前提出が必要なケース
キャリアアップ助成金は 雇用前にキャリアアップ計画書を労働局に提出 → 認定が必要。雇用後に思いついても遅い。
落とし穴3: 助成金目当ての雇用は事業を傷める
「助成金が出るから人を雇う」のは順序が逆。事業の必要に応じて雇い、ついでに助成金を活用するのが鉄則です。
落とし穴4: 社労士費用が思ったより高い
社労士事務所への申請代行は 支給額の10〜30% が相場。月顧問契約 + 成功報酬の組み合わせが多く、自社で計算するより手元に残る助成金は少なくなることもあります。
5. 申請を勧めるケース
- 雇用保険適用事業所で社会保険完備
- 就業規則・賃金台帳が整備されている
- 直近6ヶ月以内に事業主都合解雇がない
- 採用予定者の属性が助成金要件と合致
- 雇用継続6ヶ月以上できる事業計画がある
6. 申請を勧めないケース
- 雇用保険・労災保険が未加入
- 就業規則が未整備
- 過去に労基署違反歴がある
- 助成金が出るからという理由だけで採用を検討
- 雇用継続6ヶ月の見通しがない
→ 3分で無料診断
7. よくある質問
Q. パート・アルバイトの採用でも助成金は使える?
A. キャリアアップ助成金の正社員化コースは 6ヶ月以上の有期雇用 → 正社員化 が要件のため、パート・アルバイトを正社員化する場合に該当します。新規採用で即正社員化は対象外。
Q. 創業時の採用に使える助成金は?
A. 東京都の創業助成金(人件費が補助対象)、地域雇用開発助成金(過疎地域での創業時雇用)などがあります。
Q. 派遣社員を直接雇用化したら?
A. キャリアアップ助成金(正社員化コース)の対象になります。派遣期間6ヶ月以上が要件。
Q. 助成金は申請したらすぐもらえる?
A. いいえ。雇用継続要件を満たした後、書類審査 → 支給決定 → 振込で 6ヶ月〜1年 かかります。
8. 情報源
最終確認日: 2026年4月26日 / 編集: 補助金・助成金リアリティ編集部
この記事を書いた人
中小企業庁・厚生労働省・各都道府県の公式公表内容を一次情報源に、補助金・助成金の「申請すべきか/見送るべきか」を中立的に伝えるための編集チーム。 採択保証表現や申請代行業者の宣伝は行わず、採択率・準備負担・立替期間・実績報告の負荷といった現実的な観点から判断材料を提供することを編集方針としています。
この記事の情報が古い・誤りがあると感じたら
補助金は公募ラウンドごとに要件・補助率・締切が変動します。「最終確認日 2026/4/26」以降に変更があった場合、 お問い合わせフォームよりご指摘いただけますと、24時間以内に確認のうえ更新いたします。
訂正・更新提案を送る