補助金申請前 7つのチェックリスト|申請判断のための事前確認項目

補助金申請の前に確認したい7項目のチェックリスト。事業者要件、GビズIDプライムの取得、立替え資金、支援機関の関与、加点、補助対象経費、採択後の事務処理体制を、制度ごとの公募要領の記載をもとに整理します。

補助金・助成金リアリティ編集部 2026年4月26日公開 最終確認 2026/9/15
この記事の結論

補助金申請前の 7つのチェック: ①事業者要件、②GビズIDプライムの取得、③立替え資金、④商工会・商工会議所や認定支援機関の関与、⑤加点、⑥補助対象経費、⑦採択後の事務処理体制。①と⑥は制度の要件そのもので、満たさなければ補助の対象になりません。②と④は締切までに済ませる手続き、⑤は任意、③と⑦は採択後に困らないための確認です。

結論

補助金申請の前に確認したい 7つのチェック項目です(2026年9月時点)。

  1. 事業者要件
  2. GビズIDプライムの取得
  3. 立替え資金
  4. 商工会・商工会議所や認定支援機関の関与
  5. 加点
  6. 補助対象経費
  7. 採択後の事務処理体制

このうち、1(事業者要件)と6(補助対象経費)は制度の要件そのもので、満たさなければ補助の対象になりません。2(GビズID)と4(支援機関の書類)は締切までに済ませる手続き、5(加点)は任意、3(立替え資金)と7(事務処理)は採択後に困らないための確認です。具体的な要件は、申請する制度・公募回の公募要領で必ず確認してください。

1. チェック項目1: 事業者要件

確認事項

  • 申請する制度の補助対象者(中小企業者・小規模事業者などの定義)に当てはまるか
  • 業種ごとの資本金・従業員数の基準を満たすか
  • 創業からの年数など、制度独自の要件を満たすか(例: 東京都創業助成金は、法人登記・開業届から5年未満などが対象で、経営経験が通算5年以上ある方は対象外)
  • 補助対象外の事業者・事業に当たらないか(例: 新事業進出・ものづくり補助金 第1回は、医療法人・公益/一般社団法人・財団法人などが対象外。風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律で定める事業や、暴力団又は暴力団員と関係がある事業者による事業も対象外)

基準の例

新事業進出・ものづくり補助金(第1回)の中小企業者は、資本金または常勤従業員数が次の数字以下であることが条件です(主な業種。その他の業種は公募要領で確認)。

業種 資本金 常勤従業員数
製造業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業 5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人

持続化補助金(第20回)の小規模事業者は、常時使用する従業員の数で判断します。

業種 常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業その他 20人以下

× の場合

  • 対象者の定義から外れる → その制度は対象外。対象になる別の制度(自治体の補助金など)を探す

2. チェック項目2: GビズIDプライムの取得

確認事項

  • 申請する制度が求めるアカウントを取得済みか(新事業進出・ものづくり補助金、省力化投資補助金、デジタル化・AI導入補助金、事業承継・M&A補助金、東京都創業助成金はGビズIDプライム。持続化補助金 第20回も、公募要領の冒頭で「GビズIDプライム」のアカウント取得が必要としている。申請手続きの節には「プライムもしくはメンバー」とも書かれているため、プライムを取得しておくのが確実)
  • 締切に間に合うか(マイナンバーカードによるオンライン申請なら最短即日、書類申請は最大1か月。持続化補助金 第20回の公募要領は、アカウントの取得に数週間程度を要するとして早めの登録を求めています)
  • 法人は登記簿上の代表者、個人事業主は本人が取得しているか
  • 暫定のGビズIDプライムアカウントで申請しようとしていないか(持続化補助金 第20回は使用不可)
  • 登録情報が最新か(持続化補助金 第20回は、登録情報を更新しないまま申請・採択されると、最新化するまで補助金の額の確定を受けられない)

× の場合

  • 未取得 → すぐに取得手続きを始める。書類申請しか選べない場合は、締切の1か月以上前に着手
  • 締切に間に合わない → 次の公募回を検討(日程は公表されるまで確定しない)

3. チェック項目3: 立替え資金

確認事項

  • 補助対象経費の 全額をいったん支払えるか(補助金は、実績報告・確定検査などの後に支払われる精算払い
  • 自己資金とつなぎ融資で立替えできるか、取引金融機関に相談したか
  • 月次の資金繰り表で、支払から補助金の入金までの資金不足を見込んだか
  • 制度の事業実施期間・報告期限を確認したか(例: 持続化補助金 第20回は補助事業の実施期限が2028年3月31日、実績報告の期限が2028年4月10日。新事業進出・ものづくり補助金 第1回は、補助事業実施期間が交付決定日から10か月以内かつ採択発表日から12か月以内(新事業進出枠・グローバル枠は交付決定日から14か月以内かつ採択発表日から16か月以内)で、補助金はその後の実績報告・確定検査を経て支払われる)
  • 売上が計画を下回った場合の資金繰りも考えたか

立替え額の試算例

補助率 補助対象経費 立替え額 補助金額 最終的な自己負担
1/2 1,000万円 1,000万円 500万円 500万円
2/3 750万円 750万円 500万円 250万円
3/4 400万円 400万円 300万円 100万円

補助上限額や経費区分ごとの上限、交付申請時の精査による減額で、補助金額はこの計算より少なくなることがあります。なお、東京都創業助成金は、助成対象期間が6か月を超える場合に6か月経過後の中間払いが1回あります。

補助金の立替えキャッシュフローリスク

× の場合

  • 立替えが難しい → 事業の規模を見直す、補助上限の小さい制度を検討する、または補助金を使わずに自己資金・融資で進める

4. チェック項目4: 商工会・商工会議所や認定支援機関の関与

確認事項

持続化補助金の場合

  • 地域の商工会・商工会議所から 事業支援計画書(様式4) の発行を受けられるか
  • 発行受付締切(第20回は2026年12月4日で、申請受付締切の12月15日17:00より早い。受付締切以降の発行依頼はできない)に間に合うか
  • 事業承継加点を選ぶ場合、事業承継診断票(様式10)もあわせて依頼したか

認定経営革新等支援機関の確認書が必須の制度の場合

  • 例: 事業承継・M&A補助金の事業承継促進枠・廃業・再チャレンジ枠
  • 認定経営革新等支援機関を選定したか
  • 確認書の発行に必要な時間と費用を確認したか

関与が任意の制度の場合

  • 例: 新事業進出・ものづくり補助金(金融機関等から資金提供を受ける場合のみ金融機関による確認書が必要)
  • 専門家に依頼するなら、費用と役割を契約前に確認したか(事業計画書の作成を第三者に行わせることは不可)

× の場合

  • 様式4の発行の見通しが立たない → 締切直前を避け、早めに地域の商工会・商工会議所に相談
  • 確認書が必要な制度で認定支援機関が決まっていない → 中小企業庁の認定経営革新等支援機関検索で探す

5. チェック項目5: 加点

確認事項

  • 申請する公募回の加点項目を公募要領で確認したか(加点項目は公募回ごとに入れ替わる)
  • 持続化補助金 第20回: 重点政策加点・政策加点から各1種類、合計2種類までに収めたか(2種類以上を選ぶと加点審査の対象外)
  • 持続化補助金 第20回の経営力向上計画加点: 基準日までに認定を受けているか(認定申請中は対象外)。事業継続力強化計画策定加点: 申請受付締切日までに認定を受けているか
  • 新事業進出・ものづくり補助金 第1回: 経営革新計画・(連携)事業継続力強化計画・DX認定などの加点項目を、申請締切日時点で満たしているか
  • 賃上げに関する加点を選ぶ場合、達成できる水準か(加点を受けて採択されたのに未達だと、未達の報告から18か月の間、以後の申請で大幅に減点される)

加点の位置づけ

加点は審査で考慮される項目で、加点がなくても申請はできます。一方で、加点があれば採択されるわけでもありません。審査の中心は、公募要領の審査項目に沿った計画の中身です(→ 事業計画書の書き方)。

× の場合

  • 使える加点がない → 加点なしで、審査項目に沿って計画書を充実させる
  • 締切日・基準日までに要件を満たせない → その加点は選ばない。どうしても必要なら次の公募回で検討

6. チェック項目6: 補助対象経費

確認事項

  • 計画している経費が、申請する制度の補助対象経費に当てはまるか
  • 補助対象外の経費が含まれていないか(例: 持続化補助金 第20回は、役員報酬・直接人件費、補助金応募書類等の作成費用、内訳が不明な経費、1取引10万円(税抜き)を超える現金支払などが対象外。新事業進出・ものづくり補助金 第1回は、事業に係る自社の人件費が対象外)
  • 経費区分ごとの上限を守っているか(持続化補助金 第20回は、広報費・ウェブサイト関連費とも補助金額30万円(税込)が上限で、それだけでの申請は不可)
  • 必須の経費を含んでいるか(新事業進出・ものづくり補助金は機械装置・システム構築費が必須。新事業進出枠・グローバル枠は建物費でも可)
  • 中古品の条件を確認したか(持続化補助金 第20回は購入単価50万円(税抜き)未満で、2者以上の中古品販売事業者の見積が必要。省力化投資補助金 カタログ注文型は中古品が対象外)
  • 相見積の要件を確認したか(持続化補助金 第20回は、発注総額(1件あたり)50万円(税込)超の発注で2者以上の見積。機械装置等に限らない(公募要領 (9))。新事業進出・ものづくり補助金 第1回は、1件あたり50万円(税抜)以上で3者以上)

× の場合

  • 対象外の経費を含む → 計画と経費明細を修正
  • 見積が足りない → 発注先を決める前にそろえる(持続化補助金は、採択発表後から交付決定までに見積書等の提出が必要)

7. チェック項目7: 採択後の事務処理体制

確認事項

  • 交付決定前に発注・契約・支払をしない運用ができるか(交付決定前の発注などは補助対象外)
  • 事業実施期間内に発注・納品・支払を終えられるか(期間は制度で決まる。例: 新事業進出・ものづくり補助金は交付決定日から10か月以内(採択発表日から12か月以内)、新事業進出枠・グローバル枠は14か月以内(同16か月以内))
  • 実績報告書を期限までに作成できるか(持続化補助金 第20回は2028年4月10日まで)
  • 経理担当者または税理士などが継続的に関与できるか
  • 見積書・発注書・納品書・請求書・振込の記録・成果物の写真などの証憑を保管できるか
  • 計画変更承認の申請に対応できるか
  • 事業終了後の報告に対応できるか(例: 持続化補助金は補助事業終了から1年後の状況の報告、新事業進出・ものづくり補助金は毎年度の事業化状況報告、省力化投資補助金は効果報告)
  • 取得した財産の処分制限を理解しているか(期間内の目的外使用・譲渡・廃棄などには承認が必要で、補助金の返還を求められることがある)

× の場合

  • 経理担当者がいない → 税理士などへの依頼を検討
  • 証憑の保管方法を決めていない → 採択前に保管のルールを決めておく

8. 申請判断のフローチャート

1. 事業者要件 ✓ → 2へ / × → その制度は対象外。別の制度を探す
       ↓
2. GビズIDプライム ✓ → 3へ / × → すぐに取得手続き(間に合わなければ次の公募回)
       ↓
3. 立替え資金 ✓ → 4へ / × → 事業規模・制度を見直す
       ↓
4. 支援機関の書類 ✓ → 5へ / × → 商工会・商工会議所や認定支援機関に相談
       ↓
5. 加点(任意) 確認済み → 6へ
       ↓
6. 補助対象経費 ✓ → 7へ / × → 計画と経費を修正
       ↓
7. 事務処理体制 ✓ → 申請の準備へ / × → 体制を整えてから

9. チェック項目を満たさない場合の代替策

代替策1: 自己資金 + 融資で進める

補助金は交付決定前の発注・契約が対象外なので、急ぎの投資では時期が遅れます。自己資金と融資で進めれば、採択や交付決定を待たずに着手できます。

代替策2: 別制度への乗り換え

事業者要件を満たさない場合、対象になる別の制度(自治体の補助金など)を探します。

代替策3: 次の公募回を検討

体制づくりや加点の準備に時間が必要な場合は、次の公募回を検討します。ただし次の回の日程は公表されるまで確定しません(例: 省力化投資補助金 一般型は、第9回の日程が未定)。

代替策4: 規模を縮小して申請

立替え額を抑えるため、事業の規模を縮小し、補助上限の小さい制度(例: 持続化補助金は補助上限50万円。インボイス特例・賃金引上げ特例で上乗せあり)で申請します。

10. よくある質問

Q. 7項目すべて ✓ でなくても申請できる?

A. 1(事業者要件)と6(補助対象経費)は制度の要件なので、× のままでは補助の対象になりません。2(GビズID)と4(持続化補助金の様式4など)は、そろわないと申請自体ができません。5(加点)は任意です。3(立替え資金)と7(事務処理)は申請の可否ではなく、採択後に資金繰りや手続きで困らないための確認です。

Q. チェック項目以外に確認すべきことは?

A. 重複受給ルール(補助金は併用できる?)、課税対応(補助金は課税対象?)も確認。

Q. 商工会・商工会議所はどう探す?

A. 事業所の所在地によって、担当が商工会か商工会議所かが分かれます。全国の商工会議所一覧 や、最寄りの商工会・商工会議所のホームページで確認してください。

Q. 認定支援機関はどう探す?

A. 中小企業庁 認定経営革新等支援機関検索 で、地域などから検索できます。

11. 情報源


最終確認日: 2026年9月15日 / 編集: 補助金・助成金リアリティ編集部

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この記事を書いた人

補助金・助成金リアリティ編集部

中小企業庁・厚生労働省・各都道府県の公式公表内容を一次情報源に、補助金・助成金の「申請すべきか/見送るべきか」を中立的に伝えるための編集チーム。 採択保証表現や申請代行業者の宣伝は行わず、採択率・準備負担・立替期間・実績報告の負荷といった現実的な観点から判断材料を提供することを編集方針としています。

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