概算払い

ガイサンバライ
最終確認 2026/9/15
ひとこと定義

概算払いとは、支払うべき金額が確定する前に概算額で支払い、後日精算する国の支出方法。会計法22条と予算決算及び会計令58条に根拠があり、補助金・負担金・交付金は概算払いができる経費として法令に列挙されている。

概算払いとは

概算払い(がいさんばらい)は、支払うべき金額が確定する前に、概算額で先に支払い、後日精算する国の支出方法です。国の支出は金額が確定してから支払うのが原則で、概算払いはその例外として法令で認められています。

補助金の文脈では「事業が終わって額が確定する前に、補助金の一部を先に受け取る」仕組みを指します。精算払い(事業者が全額立て替えて後から受け取る)が大半を占めるなかで、立替え負担を軽くする数少ない手段です。

精算払い・前金払いとの違い(早見表)

ひとことで言うと、精算払いは「額が確定してから払う」、概算払いは「確定する前に見込みの額で払い、後で精算する」、前金払いは「確定した額を、事業の実施より前に払う」です。補助金は精算払いが原則で、概算払い・前金払いは法令が認めた例外です。

項目 精算払い 概算払い 前金払い
支払う額 確定した額 概算額(見込みの額) 確定した額
支払いのタイミング 事業完了後、実績報告を受けて額が確定してから 額が確定する前 事業の実施(債務の履行)より前
後日の精算 不要 必要(受け取りすぎた分は返納) 原則なし
事業者の立替え 事業費の全額 一部が軽くなる 軽くなる
補助金での扱い 原則。ほぼすべての制度 公募要領・交付規程に定めがある制度だけ 公募要領・交付規程に定めがある制度だけ
根拠 補助金適正化法15条で額を確定し、その後に支払う 会計法22条・予決令58条4号(補助金・負担金・交付金) 会計法22条・予決令57条10号(補助金・負担金・交付金)
  • 補助金について概算払い・前金払いをするときは、どちらも各省各庁の長が財務大臣に協議することが必要です(予決令57条ただし書・58条ただし書)
  • 前払い(補助事業者が取引先へ代金を先に払うこと)は、ここでいう前金払い・概算払いとはまったく別の話です

根拠となる法令

概算払いは事務局の裁量ではなく、法令に根拠があります。

会計法 第22条

各省各庁の長は、運賃、傭船料、旅費その他経費の性質上前金又は概算を以て支払をしなければ事務に支障を及ぼすような経費で政令で定めるものについては、前金払又は概算払をすることができる。

つまり「経費の性質上、先に払わないと事務に支障が出る経費」に限り、しかも「政令で定めるもの」に限って認められます。その政令が次の予算決算及び会計令(予決令)です。

予算決算及び会計令 第58条(概算払のできる経費の指定)

概算払いができる経費は次の6つに限られます。

経費 財務大臣への協議
旅費 不要
官公署に対し支払う経費(三〜六号を除く) 不要
委託費 必要
補助金、負担金及び交付金 必要
損害賠償金 必要
訴訟上の救助等により納付を猶予された鑑定に必要な費用 必要

「補助金は概算払いができる」と言えるのは、この第58条第4号に列挙されているからです。「負担金が概算払いできる理由は?」という疑問への答えも同じで、負担金・交付金も同じ号に並んで明記されています。

一方で、三号から六号(補助金を含む)について概算払いをするときは、各省各庁の長が財務大臣に協議することを要すると定められています。補助金の概算払いが「制度としては可能だが、実際にはどこでも使えるわけではない」のは、この手続の重さが背景にあります。

補助金で概算払いを受けるには

制度ごとに交付規程・公募要領で扱いが決まります。共通して押さえるべき点は次のとおりです。

  1. 交付決定を受けていること(交付決定前に支払われることはありません)
  2. 概算払いの定めが公募要領・交付規程にあること。定めが無い制度では申請しても認められません
  3. 請求書に加えて理由の説明を求められることが多い。「経費の性質上、先に払わなければ事務に支障を及ぼす」という会計法22条の要件に対応する説明です
  4. 事業完了後に必ず精算すること実績報告書の提出と確定検査を経て額が確定し、概算で受け取った額が確定額を上回っていれば返納します

概算払いの上限割合や申請できるタイミングは制度ごとに異なります。当サイトでは一律の目安は示しません(誤った期待で資金計画を立てると事業を傷めるため)。申請予定の制度の公募要領で「概算払」の語を検索して確認してください。

よくある誤解

  • 「補助金は概算払いが原則」→ 誤り。 原則は額の確定後に支払う精算払いで、概算払いは法令が認めた例外です
  • 「採択されたら概算払いを請求できる」→ 誤り。 交付決定が前提で、さらに制度側に定めが必要です
  • 「概算払いを受ければ返す必要はない」→ 誤り。 確定額を上回った分は返納します

→ 立替えの全体像は 補助金の立替えキャッシュフローリスク、資金手当ては つなぎ融資 を参照してください。

公式情報

最終確認日: 2026年9月15日(e-Gov 法令検索で条文を確認)

次に確認すること

  • 用語の扱いは制度ごとに違います。制度一覧から、申請する制度の補助率・上限・公募状況を確認してください。
  • 最終的な条件はその回の公募要領が決めます。当サイトの記載と食い違うときは公募要領が優先です。
  • まだどの制度を使うか決まっていない場合は、3分の無料診断で11制度を一括評価できます。

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