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ものづくり補助金 申請判定ガイド|採択率・革新性・賃上げ要件の現実

ものづくり補助金は23次締切で受付終了(24次は未告知)。23次は1,275者中448者が採択。23次の枠と上限、付加価値+3.0%・給与+3.5%の要件、後継制度で減点になる点を公式資料で整理。

補助金・助成金リアリティ編集部 2026年4月26日公開 最終確認 2026/9/15
この記事の結論

ものづくり補助金は23次締切(応募締切2026年5月8日・採択発表8月7日)で受付が終了し、24次は告知されていません(2026年9月15日時点)。 いま設備投資で申請できるのは、後継的位置づけの新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(応募申請2026年9月30日〜10月30日)です。以下は23次締切時点のものづくり補助金の内容で、23次は申請1,275者のうち448者が採択されました。革新的な新製品・新サービスの開発であること3〜5年の付加価値額・給与・最低賃金の目標を前提にする考え方は、後継制度にも共通します。

ものづくり補助金は現在、応募を受け付けている公募回がありません(2026年9月15日時点)

公式スケジュール上の最終回は23次締切(応募締切2026年5月8日・採択発表2026年8月7日)で、24次締切は告知されていません。 いま設備投資で申請できるのは、後継的位置づけの新事業進出・ものづくり商業サービス補助金です(第1回 応募申請 2026年9月30日〜10月30日18:00、採択発表2027年1月予定)。 ただし事務局は両者を「異なる補助金」と明記しています。枠・上限・要件・様式は別物なので、本記事の内容をそのまま当てはめないでください。また新制度では、申請締切日から過去3年間にものづくり補助金で交付決定を1回受けている事業者は減点されます。 → 新事業進出・ものづくり補助金 申請判定ガイド

以下は23次締切時点のものづくり補助金の内容です。過去の採択事例や審査の考え方を把握する資料としてご覧ください。

結論

ものづくり補助金は、中小企業の革新的な新製品・新サービス開発に必要な設備・システム投資を支援する制度でした(23次締切時点)。

23次締切は申請1,275者のうち448者が採択されました(件数から算出すると35.1%)。19次〜23次では、件数から算出した採択の割合は31.8〜37.5%です。審査では革新的な新製品・新サービスの開発であることと、3〜5年の付加価値額・給与・最低賃金の目標が前提になります。認定経営革新等支援機関などの支援は任意で、支援を受けた場合は支援者名・報酬・契約期間などを申告します。精算払いなので、事業費の全額をいったん支払う資金の手当て(つなぎ融資など)が必要です。

1. ものづくり補助金の基本スペック(23次締切)

項目 内容
所管 中小企業庁(23次の事務局: 全国中小企業団体中央会)
補助対象事業枠 製品・サービス高付加価値化枠/グローバル枠
補助率 1/2(小規模企業・小規模事業者は2/3、製品・サービス高付加価値化枠の再生事業者も2/3。最低賃金引上げ特例で2/3)
補助上限 製品・サービス高付加価値化枠 750万〜2,500万円(従業員数別)/グローバル枠 3,000万円。大幅な賃上げ特例で従業員数に応じ最大100万〜1,000万円上乗せ
補助下限 100万円
対象 中小企業者・小規模事業者等(応募申請時に従業員0名の場合は申請不可)
申請方法 電子申請システム(GビズIDプライムが必要)
採択 23次 1,275者中448者(35.1%)
支払 実績報告・確定検査の後の精算払い
現在の状況 23次で受付終了、24次は未告知

2. 審査で前提になる6つの軸

軸1: 革新性

23次の公募要領は、製品・サービス高付加価値化枠の対象を「革新的な新製品・新サービス開発」の取組に限っています。既存の製品・サービスの生産プロセスの改善だけの事業、機械装置等を導入するだけで開発を伴わない事業、同業の中小企業等で既に相当程度普及している新製品・新サービスの開発は対象外です。

軸2: 事業化可能性

技術が完成しても、売れなければ付加価値額の目標は達成できません。販売先・販路・売上見込みを具体的に示す必要があります。

軸3: 優位性・差別化

競合と比べた自社の強みと、市場での位置づけを根拠とともに説明します。

軸4: 賃上げ要件の達成

23次の基本要件は、付加価値額の年平均成長率+3.0%以上、1人あたり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上、事業所内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上(従業員21名以上は一般事業主行動計画の公表も)でした。給与・最低賃金の目標は交付申請時までに従業員等へ表明し、未達だと補助金返還の対象です。

軸5: 外部支援者の使い方

認定経営革新等支援機関などの支援は任意です。23次の公募要領は、実際のコストと乖離した高額な成功報酬を請求する、申請代行を主たるサービスとして申請者が理解しないまま申請させる、といった不適切な業者に注意するよう求めています。

軸6: 加点項目

加点(23次の一部) 要件
経営革新計画 申請締切日時点で有効な承認
パートナーシップ構築宣言 ポータルサイトで宣言を公表(応募締切日前日時点)
DX認定 申請締切日時点で有効な認定
(連携)事業継続力強化計画 申請締切日時点で有効な認定
地域別最低賃金引上げ/事業所内最低賃金引上げ 最低賃金近傍の従業員が30%以上の月が3か月以上/2025年7月比で63円以上の引上げ
えるぼし・くるみん・健康経営優良法人2025 各認定の取得

23次では加点は最大6項目まで申請でき、審査の結果、要件に合致した場合のみ加点されました。加点項目は公募回ごとに変わります。

3. 対象経費の整理

補助対象になる(23次)

  • 機械装置・システム構築費(必須)
  • 技術導入費
  • 専門家経費
  • 運搬費
  • クラウドサービス利用費
  • 原材料費
  • 外注費
  • 知的財産権等関連経費
  • グローバル枠の輸出事業のみ: 海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費

補助対象にならない

  • 事業に係る自社の人件費(ソフトウェア開発等)
  • 不動産の購入費、自動車等車両の購入費
  • 既存の製品・サービスの生産プロセス改善だけの事業
  • 価格の適正性が明確でない中古品(3者以上の中古品流通事業者から相見積もりを取得している場合などを除く)
  • 交付決定前に契約・発注した経費

4. 申請から支払までの流れ

公募要領の確認・GビズIDプライム取得
  ↓
事業計画書の作成(外部の支援を受けても、申請者自身が内容を理解して申請)
  ↓
見積取得(単価50万円(税抜)以上は原則2者以上から同一条件で)
  ↓
公募締切前に電子申請システムで提出
  ↓
採択発表(23次は締切2026年5月8日・採択発表2026年8月7日)
  ↓
交付申請書提出
  ↓
交付決定通知の受領 ← ここから発注OK
  ↓
事業実施(補助事業実施期間内に検収・支払いまで完了)
  ↓
実績報告書提出
  ↓
確定検査
  ↓
補助金振込

23次の補助事業実施期間は、製品・サービス高付加価値化枠が交付決定日から10か月(採択発表日から12か月後の日まで)、グローバル枠が12か月(同14か月後の日まで)でした。補助金は実績報告書の提出と確定検査の後に支払われます。見積もりの取り方は相見積も参照してください。

本補助金は公募を終了しているため、これから申請する場合は後継の新事業進出・ものづくり補助金の日程(応募申請2026年9月30日〜10月30日18:00、採択発表2027年1月予定、交付申請は原則採択発表日から2か月以内)を新事業進出・ものづくり補助金 申請判定ガイドで確認してください。

5. 落とし穴

落とし穴1: 「設備を入れるだけ」は革新性に当たらない

23次の公募要領は、機械装置等を導入するだけで新製品・新サービスの開発を伴わない事業や、生産プロセスの改善だけの事業を対象外としていました。省力化が目的なら中小企業省力化投資補助金が候補です。

落とし穴2: 自社人件費の壁

エンジニア中心の事業者でも、事業に係る自社の人件費(ソフトウェア開発等)は補助対象外です。

落とし穴3: 賃上げ目標の表明と返還

給与支給総額・事業所内最低賃金の目標は、交付申請時までに従業員等へ表明が必要です。表明していなければ交付決定取消・補助金返還、目標未達でも補助金返還の対象になります。

落とし穴4: 外部支援者に任せきりにする

申請は申請者自身が内容を理解して行う必要があり、電子申請システムには代理申請の機能がありません。支援を受けた場合は、事業計画書作成支援者の名称・支援内容・報酬・契約期間を電子申請システムに入力して申告する必要があり、申告がないと不採択・採択決定取消し・補助金返還などの対象でした。

落とし穴5: 補助事業実施期間内の検収

長納期の特注設備は、補助事業実施期間内に納入・検収・支払いまで終わらない可能性があります。発注前に納期を確認してください。

6. 申請を勧めるケース(後継制度を検討する場合も共通)

  • 自社の技術で新製品・新サービスを開発する計画があり、設備・システム投資を伴う
  • 3〜5年、付加価値額と給与を伸ばし続ける見通しが立つ
  • 事業費の全額をいったん支払い、補助金の入金まで資金を回せる(自己資金・つなぎ融資)
  • 採択後の交付申請・実績報告・事業化状況報告に対応する体制がある

7. 申請を勧めないケース

  • 既存設備の単純更新や、生産プロセス改善だけの投資
  • 自社人件費の補助を期待している
  • 採択発表・交付決定を待たずに設備が必要
  • 資金を立て替えられない(自己資金と融資を合わせても不足)
  • 賃上げ目標が事業実態と合わない
  • 過去3年間にものづくり補助金で交付決定を受けており、後継制度で減点になる

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8. 事業計画書で押さえたいこと

ポイント1: 目標を数値で示す

「売上を伸ばす」ではなく、「現状の売上 → 補助事業後の売上、新規顧客数」のように数値と根拠で示します。付加価値額・給与の目標は、事業化状況報告で達成状況を確認されます。

ポイント2: 競合と比べた優位性を具体的に

競合の強み・弱みと比べて、自社が選ばれる理由を具体的に書きます。

ポイント3: 図表で補足する

23次では、事業計画の本文は電子申請システムに入力し、補足の図や画像はPDFで添付する方式でした(PDFの枚数に上限あり)。

ポイント4: 過去の採択事業を調べる

公式サイトの採択結果には、締切回ごとの採択者一覧(事業計画名を含む)が掲載されています。同業種の採択テーマを確認するのに使えます。

9. よくある質問

Q. 今から申請できますか?

A. できません。23次締切(採択発表2026年8月7日)が最後の公募回で、24次は告知されていません(2026年9月15日時点)。設備投資で申請するなら、後継的位置づけの新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(応募申請2026年9月30日〜10月30日18:00)を確認してください。

Q. 採択率はどのくらいでしたか?

A. 事務局の公表件数では、19次 5,336者中1,698者、20次 2,453者中825者、21次 1,872者中638者、22次 1,552者中582者、23次 1,275者中448者が採択されました。件数から算出すると31.8〜37.5%です。

Q. 加点項目はいくつ使えましたか?

A. 23次では最大6項目まで加点を申請でき、審査の結果、要件に合致した場合のみ加点されました。対象は経営革新計画、パートナーシップ構築宣言、DX認定、(連携)事業継続力強化計画、最低賃金の引上げ、えるぼし・くるみん認定、健康経営優良法人2025、事業承継/M&A、成長加速マッチングサービスなどです。

Q. 認定支援機関に依頼する費用は?

A. 費用に公的な基準はなく、顧問契約・成功報酬などの組み方は依頼先によって違います。契約前に算定方法と支払時期を書面で確認してください。

Q. 何回まで申請できましたか?

A. 23次では、申請締切日から過去3年間に2回交付決定を受けた事業者は申請できず、1回受けている事業者は減点でした。後継の新事業進出・ものづくり補助金でも、過去3年間にものづくり補助金または新事業進出補助金で交付決定を1回受けている事業者は減点されます。

10. 情報源


最終確認日: 2026年9月15日 / 編集: 補助金・助成金リアリティ編集部

この記事を書いた人

補助金・助成金リアリティ編集部

中小企業庁・厚生労働省・各都道府県の公式公表内容を一次情報源に、補助金・助成金の「申請すべきか/見送るべきか」を中立的に伝えるための編集チーム。 採択保証表現や申請代行業者の宣伝は行わず、採択率・準備負担・立替期間・実績報告の負荷といった現実的な観点から判断材料を提供することを編集方針としています。

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